『筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント』専門 『施術室 しまだ』

痛みのホント その② 痛みを感じるしくみ

 

『痛み』は『電気信号』です。

 

(神経が電気コードで、痛み信号はその中を通る電流をイメージしてください)

 

痛みを起こす物質や組織を損傷するくらいの強い刺激に『痛みの受容器』が反応すると

 

電気(痛み信号)が生じて、脳に伝わるしくみになっています。

 

慢性痛の場合は、痛みを起こす物質に反応しています。

 

 

このしくみによる痛みを

 

 『侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)』と言います。

  

『筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント』による痛みも、同じしくみです

 

 

慢性痛は、痛み信号が生じたところから

 

『人が歩く(時速3.6km)くらいの速さ』で神経を通って脳に伝わり

 

『痛い』と感じています。

 

急性痛は、慢性痛とは異なる3倍くらい太い神経(Aδ線維)が

 

『約15倍(時速54km)の速さ』で伝えています。

 

(緊急性が高いので速く伝わる)

 

 

痛み信号が発生したトリガーポイントが『痛みの第一現場』で

 

痛み信号を受け取っている脳は『痛みの第二現場』です。

 

 

たとえば

『右ひざが痛い・・・』と感じる時 

痛みのホント その②『痛みを感じるしくみ』 

 

<痛み信号の流れ>

 

 

背骨の中にある脊髄 ※1 

末梢神経 ※2

(痛み信号の発信)

トリガーポイント

 

 

※1 脊髄(せきずい):脳から連続する中枢(ちゅうすう)神経で、背骨の中に存在。

 神経伝達の中継と反射機能(←慢性痛に関わる)をつかさどる。

 

※2 末梢(まっしょう)神経:脳と脊髄(中枢神経)から分かれて、全身の器官・組織に分布。

全身の器官・組織と中枢神経系(脳と脊髄)を結ぶ伝導路。

 

  

トリガーポイントの場合は

 

痛み(信号)を脳に伝える神経(C線維)の先端にある

 

『ポリモーダル受容器』というセンサーが

 

『発痛物質 *ブラジキニン』に反応して

 

痛み(信号)が生じています。

 

*ブラジキニンは、数ある発痛物質(セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリンなど)の中でも『最強』と言われ、トリガーポイントが活性化した時は『それなりの強い痛み』になる。

 

 

ほとんどの筋骨格系(肩こり、腰痛、膝痛など)の痛みをはじめ

 

椎間板ヘルニアの神経圧迫によるとされている

 

いわゆる『坐骨神経痛』も侵害受容性疼痛』です。

 

『坐骨神経痛』は

 

トリガーポイントによる痛みと間違えられることが多いです。 

 

 

神経は痛みを伝えるものですが

 

神経因性疼痛(しんけいいんせいとうつう)※3 のように

 

神経そのものが傷つかない限り

 

痛みを起こすことはありません。

 

 

多くの方が診断されている『坐骨神経痛』が

 

本当に神経因性疼痛であるならば

 

手技療法で改善するはずがありません。

 

 

『偶然』では、数が多すぎるのです。

 

 

 

痛み治療の原則は

 

『痛みの第一現場』にアプローチして

 

活性化した受容器(トリガーポイント)を鎮静化すること。

 

そして。

 

お一人おひとりに必要な『痛みのホント(痛み学)』を提供して

 

『痛みの第二現場(脳)』をアップデートすることです。

 

 

 

慢性痛には侵害受容性疼痛のほかに

 

神経因性疼痛(しんけいいんせいとうつう)※3 』と

 

『痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう)』があります。

 

 

『神経因性疼痛』は神経そのものの損傷または機能的な異常で

 

難治性の極めて稀な痛みであり、手技療法の対象ではありません。

 

その痛みの代表的な原因としては

 

糖尿病(による神経障害)、帯状疱疹(後の神経痛)、幻肢痛、がんの化学療法などです。

 

 

また、今まで原因不明の痛みは『心因性疼痛』と呼ばれていましたが

 

昨年『痛覚変調性疼痛』となりました。

 

この痛みは『痛み』への不安や恐怖、その他のストレスや人間関係などの影響で

 

脊髄から脳にかけての神経回路が時間をかけて変調することで

 

痛みを悪化させると考えられています。

 

線維筋痛症や過敏性腸症候群などが典型的な疾患です。

 

 

 

 その③ 『しびれを感じるしくみ』  fullsizeoutput_1d78.jpeg