『筋膜ケア』 の 施術室 しまだ

そよ風 note

2023-10-03 21:00:00

①『2つの痛み』

 

一口に『痛み』と言っても、痛みにはしくみの異なる『急性痛』と『慢性痛』があります。

 

この2つの痛みは、痛みを生じる原因も脳に伝える神経(痛みセンサー)も異なるので、対処法も異なります。

 

 
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『急性痛』とは  

 

身体のどこかが傷ついたり、何らかの理由で組織が炎症を起こしたりした時に感じる、『鋭い、どこが痛いのかはっきりした痛み』です。

 

例:転んで膝をぶつけた、指を切った、歯を抜いた、風邪をひいて喉が痛い、骨折をした など

 

このような『炎症がある痛み』は

・怪我をした(炎症を起こした)ところをよく冷やす。

・血行が良くなることは避ける。(入浴や運動、飲酒や辛い食べ物など)

・消炎鎮痛剤がよく効きます。

・とにかく安静です。

・日にち薬です。

 

誰もが経験したことのある、病気や傷にともなう『症状としての痛み』なので、傷や病気が治れば痛みも役目を終えて消えていきます。

 

また、急性痛は『痛みの大きさと経過日数』はほぼ比例するので、痛みがいつ頃消えるのか予測することができます。

 

下図「急性痛と慢性痛の経過の違い」を参照してください。

 

※ すべての炎症は痛みを伴いますが、すべての痛みが炎症を伴うわけではありません。

 

ギックリ腰や寝違いなどは、ある日突然に起こる痛み(急性痛)ですが、炎症を伴う(傷の)痛みではないので、即時改善が可能です。

 

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※ 急性痛と慢性痛を比較した一例です。

 

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『慢性痛』とは  

 

3ヶ月〜6ヶ月以上(数ヶ月〜数年)にわたって続く、『ズーンという、鈍い、うずくような、(急性痛ほど)どこが痛いのかあまりはっきりしない痛み』です。

 

例:筋膜性疼痛症候群、頭痛(主に緊張性頭痛)、慢性腰痛、肩こり、ひざ痛、四十肩、いわゆる坐骨神経痛 など

※ 病院では、背骨の変形や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性の関節症(関節の軟骨がすり減っている)、などの診断を受ける場合があります。

 

このような『炎症がほぼない痛み』は

・冷やさずに温める。

・血行が良くなることを積極的におこなう。(入浴や体操、ウォーキングなど)

・消炎鎮痛剤は、あまり効きません。

・安静よりも、できるだけ動く(行動)です。

・日にち薬も効きません。

 

誰もが経験する訳ではない、けがや病気が治っても痛みが消えない、いくら検査をしても異常がないなど、急性痛とは異なる『ちょっと複雑な痛み』です。

 

慢性痛は、日によって痛みの大きさが変化することもありますが、『痛みの大きさと経過日数』は比例しないので、痛みがいつ頃消えるのか予測することができません。

 

上図「急性痛と慢性痛の経過の違い」を参照してください。

 

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慢性痛は急性痛とは痛みを起こすしくみが異なるので、急性痛にはよく効く鎮痛剤も効かない場合がほとんどです。

 

そして、急性痛と大きく異なる点として、慢性痛は以下の要因が相互に絡み合っています。

 

・身体的な要因

トリガーポイント(過敏化した受容器)

 

・心理的な要因

 不安・悩み・悲しみ・怒り・恐怖・抑うつ 』 などの精神的なストレス

『痛み』そのもの(痛みに対する誤解)もストレスになる。

 

・社会的な要因

まわりの人との人間関係(親子や夫婦の関係、職場の環境や人間関係など)  

いつまでもよくならない痛みが、人間関係を悪化させることもある。

 

・睡眠(障害)

不眠、中途覚醒(断続的な睡眠)

不眠症の方は、慢性的な痛みを伴っているケースが多く、慢性的な痛みを抱えている方は、睡眠障害を伴っているケースが多い。

(睡眠の量や質の悪化が、痛みの再発や程度と関係している)

 

 

これは、慢性的な痛みやしびれが一元的なものではなく、多元的なものであることを示しています。これらの要因が占める割合は、人によって異なります)

 

 

 

痛みのホント その①『2つの痛み』 

 

 

慢性的な痛みやしびれは、『心と身体(トリガーポイント)が相互に絡み合った結果(心身反応)』と捉えると、期待する結果を得ることができるようになります。

 

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このような心身反応は、習慣化することがあります。 

 

 

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