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Focal Vibration Therapyの振動の特徴
FVT(Focal Vibration Therapy:局所振動療法)は、非常に細かな振動をトリガーポイントや筋拘縮に与える振動療法です。
施術室しまだで使用しているFVT機器には
① 周波数
② 微細な振動
③ 振動パターン
という特徴があります。
① 周波数:1秒間に振動する回数
周波数とは、「1秒間に何回振動するか」を表すもので、Hz(ヘルツ)という単位を使用します。
一般的なマッサージガンとFVT機器では、使用する周波数帯にも違いがあります。
一般的なマッサージガンは 25 〜 58Hz 程度の製品が多く見られますが、FVTで使用する機器は 79 〜 139Hz の振動を発生させます。
施術では、お身体の状態や施術する部位に合わせて 4つの周波数(79Hz・95Hz・124Hz・139Hz)を使い分けます。
100Hz前後の局所振動については、筋肉の中にある筋紡錘(きんぼうすい)などの感覚受容器を刺激し、脊髄や脳へ送られる神経情報に影響することが研究されています。
② 微細な振動:強く叩かない振動
FVT機器と一般的なマッサージガンの大きな違いの一つが、振動の伝え方です。
一般的なマッサージガンでは、アタッチメントが数ミリ以上往復することで、身体へ打撃的な刺激を加えます。(マッサージガンの振幅は、小さいもので約4mm、大きいものでは16mmほどあります)
一方、FVT機器では、マッサージガンのようにアタッチメントが大きく往復するのではなく、肉眼では動きを捉えにくいほど細かな振動を局所に与えます。
トリガーポイントでは、侵害受容器(痛みセンサー)が刺激に対して反応しやすい状態が関係しているため、強い刺激を加えることはあまりおすすめできません。
刺激方法や強さによっては、かえって痛みを強める可能性もあります。
FVTでは、身体を強く叩くのでなく、微細な振動によって筋肉や皮膚にある感覚受容器へ刺激を与えることを目的としています。
③ 振動パターン:振動の強弱や間隔の変化
FVT機器には、強弱や間隔の変化を加えた振動パターンがあります。
お身体の状態や施術する部位に合わせて、4つの周波数と7種類の振動モードを使い分けます。
7種類の振動モードと4段階の強度
◾️FVTの微細な振動を目で見る
FVT機器による振動は非常に細かいため、機器の先端を見ただけでは、その動きを目で捉えることは容易ではありません。
機器の先端を水に接触させると、細かな振動が水へ伝わり、水面に波として広がっていく様子を見ることができます。
https://youtube.com/shorts/QLu7HuJQ14s?feature=share
では、この細かな振動が、トリガーポイントや筋拘縮にどのように作用するかについてはFocal Vibration Therapyがもたらす効果でご紹介しています。
■参考文献
⒈ Roll JP, Vedel JP, Ribot E.
Alteration of proprioceptive messages induced by tendon vibration in man: a microneurographic study.
Experimental Brain Research. 1989;76(1):213–222.
(振動刺激によって筋紡錘などから送られる感覚情報が変化することを調べた研究)
⒉ Manzo N, Ginatempo F, Belvisi D, et al.
Investigating the Effects of a Focal Muscle Vibration Protocol on Sensorimotor Integration in Healthy Subjects.
Brain Sciences. 2023;13(4):664.
(100Hzの局所筋振動による神経系への影響を調べた研究)
⒊ Simons DG.
New views of myofascial trigger points: etiology and diagnosis.
Archives of Physical Medicine and Rehabilitation. 2008;89(1):157–159.
(筋膜性トリガーポイントの成因と侵害受容器の感作などに関する論文)
※上記の研究は、局所振動による感覚受容器や神経系への作用、筋膜性トリガーポイントの病態について検討したものです。
Focal Vibration Therapy がもたらす効果
施術室しまだでは、Focal Vibration Therapy(局所振動療法)をトリガーポイント(過敏化した痛み受容器)と筋拘縮(筋肉が持続的に縮んだ状態」への施術に使用します。
FVTでは、79〜139Hzの非常に細かな振動を局所に与えます。
◾️トリガーポイントへの作用
トリガーポイントでは、侵害受容器(痛みセンサー)が刺激に対して反応しやすい状態が関係しています。
振動によって生じた刺激は神経を通って脳へ伝えられ、痛みに関係する情報の伝達や処理に影響することが研究されています。
ヒトを対象とした研究でも、振動刺激によって痛みが軽減したり、痛みを感じる刺激の強さ(疼痛閾値)が変化したり、痛みに関連する神経活動が変化することが報告されています。
また、筋膜性トリガーポイントを対象とした研究でも、振動刺激によって痛みや機能障害が改善したことが報告されています。
FVTによる微細振動
↓
筋肉や皮膚などにある感覚センサー(受容器)
↓
感覚センサーからの情報
↓
脊髄・脳
↓
痛みに関連する情報の伝達・処理を調節
↓
痛みの感じ方に変化
このように、FVTは、微細な振動によって、神経系へ新たな感覚情報を送り、痛みに関する情報の伝達や処理に働きかけます。
◾️筋拘縮への作用
筋肉が収縮したり弛緩したりするためには、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが必要です。
筋拘縮では、筋肉の持続的な収縮によって局所の血流が低下し、酸素やエネルギー(ATP)が十分に供給されにくくなることで、筋肉がさらに弛緩しにくくなるという悪循環が関係していると考えられています。
振動刺激には局所の血流を増加させる作用が報告されており、その仕組みの一つとして、血管の内側から放出されるNO(一酸化窒素)によって血管が広がることが関係していると考えられています。
■参考文献
⒈ Dueñas L, Zamora T, Lluch E, et al.
The effect of vibration therapy on neck myofascial trigger points: A randomized controlled pilot study.
Clinical Biomechanics. 2020;78:105071.
(頚部の筋膜性トリガーポイントに対する振動療法の研究)
⒉ Bini G, Cruccu G, Hagbarth KE, Schady W, Torebjörk E.
Analgesic effect of vibration and cooling on pain induced by intraneural electrical stimulation.
Pain. 1984;18(3):239–248.
(振動刺激による痛みの軽減と神経系における疼痛調節の研究)
⒊ Kakigi R, Shibasaki H.
Mechanisms of pain relief by vibration and movement.
Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry. 1992;55(4):282–286.
(振動刺激による痛みの軽減と神経活動の変化に関する研究)
⒋ Simons DG.
New views of myofascial trigger points: etiology and diagnosis.
Archives of Physical Medicine and Rehabilitation. 2008;89(1):157–159.
(筋膜性トリガーポイントとエネルギー危機に関する研究)
5.Maloney-Hinds C, Petrofsky JS, Zimmerman G, Hessinger DA.
The role of nitric oxide in skin blood flow increases due to vibration in healthy adults and adults with type 2 diabetes.
Diabetes Technology & Therapeutics. 2009;11(1):39–43.
(振動刺激による血流増加とNO:一酸化窒素の関与に関する研究)
6.Mukund K, Subramaniam S.
Skeletal muscle: A review of molecular structure and function, in health and disease.
WIREs Systems Biology and Medicine. 2020;12(1):e1462.
(骨格筋の収縮・弛緩、ATP:アデノシン三リン酸、Ca²⁺:カルシウムなどの筋生理学に関する総説)
※上記の研究は、振動刺激による疼痛調節、筋膜性トリガーポイント、筋収縮・弛緩、血流などに関する研究です。




