そよ風 note

2026-05-30 18:00:00

顎の痛みとトリガーポイント

先日、3日前から「右顎の痛み」と「口が開けられない(開口制限)」という症状でお困りの50代の女性が来室されました。

撮影および掲載の許可をいただきましたので、施術前後の様子をご紹介します。

 

施術前に開口の程度を確認すると、口は指1本分しか開きませんでした。

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3日前、お弁当の「とんかつ」を食べようとしたところ、顎の痛みとともに口が開かずに落としてしまったとのこと…

その後もまともに食事ができない状態が続いたそうです。

 

顎の痛みと開口制限(顎関節症)に関わる筋はいくつかありますが、その中でもメインのターゲットになるのは、口の中にある「内側翼突筋(ないそくよくとつきん)」です。

施術前に、トリガーポイント大辞典で内側翼突筋の位置や形などをお見せしながら「少々痛みを伴う施術になると思います」と説明し、施術を開始しました。

私の触診では、内側翼突筋のトリガーポイントは「上手前」「上奥」「下」の3箇所に見つかることが多く、この女性も「上手前+++」「上奥+++」「下+」(+は緊張と圧痛の強さ)を確認しました。

 一方、左側には明らかな緊張と圧痛はなく、ご本人も左右の状態の違いをはっきり感じられたようでした。

 

やはり、最初のアプローチでは強い痛みを伴ったようですが、ピンサーテクニック(トリガーポイントを指で挟み込んで持続的に圧迫する手技)によるアプローチを3回ほど繰り返すと、指3本まで痛みなく開口できるようになりました。

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女性はとても驚いた様子で、目も大きく開いていました。

改善に要した時間は10分ほどでしたが、この症状に関連していると思われる顔・頭・首周囲のトリガーポイントにもアプローチして施術を終了しました。

翌日と1週間後には「痛みなく口を開けられて、ご飯も食べられている」「顎関節症だったことも忘れて痛かったのが嘘のよう」とのご報告をいただき、私も安心しました。

 

ちなみに「内側翼突筋」の「翼突(よくとつ)」という名称は、頭蓋骨の一部である 蝶形骨(ちょうけいこつ)の「翼状突起(よくじょうとっき)」に由来しています。

 

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この筋肉が付着している骨の突起が、蝶の羽のような形をしていることから名付けられたそうです。

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口の奥に存在する、長さ 4〜5cm・幅 2〜3cm・厚さ 1cmほど の小さな筋肉に発生したトリガーポイントが、顎の痛みと開口制限に深く関わっているのです。

 

トリガーポイントによる痛みは「炎症」を伴うものではありませんが、「延焼(慢性化)」する前に消火(鎮静化)することで早期の改善が期待できます。

時間が経過して慢性化するほど、トリガーポイントの数や痛む範囲が広がり、改善に要する時間も必要になります。

 

次回は「ぎっくり腰」ついて、症例とともにご紹介します。