そよ風 note
私の右肩痛からわかる 「トリガーポイントがある部位の特徴 」
先日、兄を誘って調布駅近くの「シミュレーションゴルフ」で、約2年ぶりにゴルフをしました。
いそいそと出かけたものの、久しぶりということで軽めに振っていたのですが、トップ(右肩外旋時)での軽い痛みと窮屈さを感じながら9ホールをプレーしました。
スコアと内容はいつも通りの “散々の結果" でしたが、それ以上に痛かったのは、数日後の早朝から始まった「目覚めるほどの右肩痛」でした。
右肩周囲を触診してみると、その痛みに関連すると思われる複数のトリガーポイントと筋・腱の障害が見つかりました。
どうやら、2年ぶりのゴルフが、潜在性のトリガーポイントを “活性化(活動性トリガーポイントへ変化)" させたようです。
中でも「トリガーポイントがある部位の特徴」が顕著だった、上腕二頭筋腱部への施術動画をご紹介します。
動画では「クロスファイバーストローク」と呼ばれる、クリニカルマッサージのテクニックを施術具でおこなっています。
この方法は、筋・腱などの線維組織(ファイバー)が増殖した部位に対して、交差(クロス)するように何度も往復(ストローク)刺激を与えます。
「目覚めるほどの痛み」とともに施術中の「響くような痛み」を自ら経験することで、患者さんが感じている「痛みの質や響き」を自身の体で理解することができます。
トリガーポイントがある部位は浮腫んでいるため、画像のように(私の場合はとてもわかりやすく・・・)盛り上がっています。
そして、施術具でその部位を横切ると、弦を弾いたような「跳ね上がり(スナッピング)」が確認できます。
「トリガーポイントの周囲は浮腫んでいる」ことを、あらためて身を持って確認できました。
また「跳ね上がり」も、トリガーポイントを施術する際によく見られる反応ですが、特にこの部位(私)は、わかりやすいです。
浮腫の範囲や跳ね上がり具合は、部位や症状の程度によって異なりますが、このような部位が施術の重要な対象となります。
これまで2回の施術をおこなった結果
朝の痛みは消失しましたが、筋・腱の障害はまだ残っているため、しばらく施術を継続します。
そしてまた “いそいそと" シミュレーションゴルフに行きたいと思います。
お腹から脚の付け根への施術
施術において、お腹(腹部)から脚の付け根(鼠径部)は、『前腰部(腰の前)』と呼ばれる重要な部位です。
前腰部には、姿勢を支える筋肉であるがゆえに、ぎっくり腰や慢性腰痛、股関節の痛み(トリガーポイント)や硬さ(筋拘縮)の原因になりやすい『腹筋群』や『腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)』があります。
ー 姿勢を支える主要な筋肉(姿勢筋) ー
※ すべての姿勢筋に、トリガーポイントや筋拘縮が形成されやすいです。
腰痛や股関節の痛みを抱える多くの方に前腰部の施術が必要となりますが、デリケートな部位でもあるために見落とされやすい傾向にあります。
また、自覚症状がなくても、腰痛の経験や股関節の動きに制限がある方を調べてみると、隠れたトリガーポイントや筋拘縮が見つかることが多いです。
「トリガーポイント プレッシャー リリース」 について
『トリガーポイントプレッシャーリリース(TrP pressure release)』
(旧称:マイオスライドリリース)
『必要な部位に、必要な圧を、必要な時間』── 確実に届ける施術
トリガーポイント プレッシャー リリースは、トリガーポイントに対して持続的な圧迫(プレッシャー)を加えることで、痛みと筋・筋膜の緊張を解放(リリース)する施術法です。
一般的には、施術者の指で圧迫を加えますが、指で行う場合には以下のような限界があり、安定した効果を得ることができませんでした。
・施術者の指では接触する面積が狭く不安定なため、施術者のわずかの動きでトリガーポイントからずれてしまう
・トリガーポイントは「点」ではなく、一定のエリアを持つ「面」であるため、指先の面積ではトリガーポイント全体に均等な圧が届かない
・その圧は、施術者の指にも吸収されてしまうため、余計な圧が必要になる
『ステンレス製の施術具による安定したアプローチ』
しまだの施術では、この限界を解消するために作製したステンレス製の施術具を使用し、 400g〜1kgほどの圧を、30〜60秒間、じっくり・じんわり トリガーポイントにかけていきます。
トリガーポイントの状態によっては、1〜2分ほどかける場合もあります。
圧迫後は、痛みと筋・筋膜の緊張の変化を確認しながら、必要に応じて繰り返します。
トリガーポイントの位置や方向、筋筋膜の緊張度合いなどの情報が、施術具を介して私の手に伝わります。
『虚血性(きょけつせい)圧迫』が生み出す『液性の流動』
血管が収縮して血液の流れが悪くなっているトリガーポイントに対して、あえて圧をかけて一時的に血液に量を減少させる『虚血性圧迫』を行います。
30〜60秒間の圧迫後、その圧を解放することで、血液と(その影響を受けていた)リンパが一気に流れ出します。
この『液性の流動(物質が同じ場所にとどまらずに移動すること)』が促されることにより
・痛み物質(ブラジキニン)の排出
・リンパドレナージュ(老廃物や余分な水分の排出)
が起こり、痛みと筋・筋膜の緊張が解放され、体が軽い・動きやすいなど筋肉の機能も正常化していきます。
また、虚血性圧迫を行っているときは、過敏化したトリガーポイントほど、響くような「痛気持ちよさ」を感じるとともに、思いもしない部位への響きを感じるかもしれません。
脳で、この「痛気持ちよさ」を感じることにより『エンドルフィン』が放出されて、鎮痛作用が起こります。
エンドルフィンとは、『鎮痛、抗ストレス作用や多幸感などをもたらす脳内物質(幸せホルモン)』です。
『デリケートな部位のトリガーポイントにも対応』
・腰痛や背中の張りの原因となる『お腹(腹筋)』
・女性患者さんが訴えづらい『股関節(脚の付け根)まわりや臀部(坐骨下)』
など、施術者の手では対応することが難しい部位にも、安全かつ確実に対応します。
手では再現することができない、安定した持続的な圧迫が生み出す効果です。