そよ風 note
椎間板ヘルニアとMRI
『MRIの出現により、脊椎の異常診断能力は向上した。只、無症候例に高頻度な形態学的異常も少なくないことも明らかになった。最近では腰痛出現後に撮影されたMRI所見が、腰痛を説明するような新たな所見である可能性は低いことが指摘されている。』
菊池臣一編著『腰痛 第2版』より (医学書院 2014)
『椎間板ヘルニアが画像で認められても、それが必ずしも痛みを起こしているわけではないことが明らかになってきているのです。』
菊池臣一著『腰痛のナゼとナゾ』より (メディカルトリビューン 2011)
『私は巨大なヘルニアを持っていますが、腰痛とは無縁の生活を送っているのです。私だけ特別に腰痛を起こさないわけではありません。』
菊池臣一著『腰痛のナゼとナゾ』より (メディカルトリビューン 2011)
慢性腰痛も脚のしびれもない
しまだのMRI
私もヘルニアを持っていますが、慢性腰痛ではありません。
レントゲン同様、専門医にこの画像を見せても、腰痛と脚のしびれの有無はわかりません。
For many years now, MRI scans have been the ultimate in futuristic medicine. But while these machines are miraculous in some ways, they can be worse than useless for diagnosing low back pain.
「MRIは未来の医療と言われて久しい。この機械はある意味では奇跡的なものですが、腰痛の診断には役に立たないこともあります。」
Many people with no pain have all kinds of things “wrong” with their backs, and vice versa. Many problems revealed by scans that seem like “obvious” problems are not.And so the diagnosis and treatment often goes spinning off in the wrong direction.
「痛みのない人の中には、脊椎に様々な問題を抱えている人が多く、その逆もまた然りです。スキャンによって明らかになったことの多くは、一見「明らかな」問題のように見えますが、そうではありません。そのため、診断や治療が間違った方向に空回りしてしまうことが多いのです。」
Fifty-six patients with uncomplicated lumbar disc prolapse were carefully assessed, finding almost no correlation at all between symptoms and the size and position of the bulge.
「合併症のない腰椎椎間板脱出(ヘルニア)の患者56人を注意深く評価したところ、症状と膨隆の大きさや位置との間にほとんど相関関係は見られませんでした。」
There is no direct correlation between the size or position of the disc prolapse and a patient's symptoms. The symptoms experienced by patients should be the primary concern in deciding to perform discectomy.
「椎間板脱出(ヘルニア)の大きさや位置と患者の症状には直接的な相関関係はありません。椎間板摘出術を行うかどうかは、患者が経験する症状を第一に考えるべきです。」