そよ風 note

2024-05-30 20:00:00

ひざの痛みとトリガーポイント

先日、右ひざの痛みを訴える65歳の女性が、杖をつきながらバスと電車を乗り継いで来られた。

右ひざは6ヶ月前から痛みはじめ、自宅近くの整形外科を受診したところ、『変形性ひざ関節症』と診断されたそうだ。

医師からは

「軟骨がすり減って関節が変形している」

「関節に注射をしましょう」

そして

「最終的には手術になるかもしれません」

と言われていたそうだ。

女性は手術を受けたくなかったので、週に1回、痛い注射を(5回)受けながら処方された痛み止めも飲んだが、痛みが改善することはなかった。

その後、ある整骨院に20回ほど通ったが、こちらでも改善の兆しすら見えなかったとのこと。

このある整骨院では「身体が歪んでいるから、背骨と骨盤の矯正をしなければいけない」「それには回数券がお得ですよ」と言われて20回分の回数券を購入したそうだ。 

このままでは手術になってしまうのかと心配していたところ

『少し遠いけど行ってごらん 私の腰痛が治ったんだから きっと良くなるわよ』と

カラオケの仲間(私の患者さんだった方)が、紹介してくれたそうだ。 

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赤の丸印は、女性が痛いと訴えたところ

その他のラインは、ひざの痛みと歩行障害を引き起こしているトリガーポイントがあったエリア

『6ヶ月前は杖など必要なかったのに、今では杖なしでは歩けなくなってしまった…』と、とても辛そうだった。

痛みはじめ(半年前)はこんなに広い範囲ではなかったかもしれないが、トリガーポイントを誰にも見つけてもらえずに時間だけが経過した結果、痛み信号に反応した脳と脊髄からの繰り返される命令によって筋肉たちの緊張(こわばり)が強くなり、とうとう杖なしでは歩けなくなってしまったのだろう。

痛みやしびれが慢性化するしくみ:https://kinji-shimada.com/diary/75590

それぞれのトリガーポイントを探索すると、女性は『痛いです』『そこも痛いです』と教えてくれた。

すべてのトリガーポイントに対して、じっくり・じんわり トリガーポイントプレッシャーリリース をおこなう。

しまだの施術:https://kinji-shimada.com/free/treatment

施術後は 

『あれ?! あんまり痛くない』と杖をつかずに笑顔で帰られた。

その後は週に1回来ていただいたが、3回目で終了した。

この結果は、ひざの軟骨が再生して関節の変形が元に戻ったのではありません。

騒いでいた(活性化した)トリガーポイントたちが大人しくなって(不活性化して)、痛み信号が脳に届かなくなったのです。

脳に痛み信号が届かなくなれば、余計な筋肉の緊張(こわばり)は起こりません。

よって、痛みなくスムーズに歩ける、動けるようになるのです

痛みやしびれが改善するしくみ:https://kinji-shimada.com/diary/75591