そよ風 note
筋膜を不健康にする悪者 その① 『運動不足』
健康な筋膜には、制限のない滑りながら動く運動性があります。
そのおかげで、私たちは痛みなく自由に動くことができています。
しかし、筋膜が不健康になる(滑りながら動く運動性が制限される)と、痛みや運動制限を伴うようになります。
知らず知らずのうちに筋膜を不健康にする『悪者リスト』をご紹介します。
その① 『運動不足』
その①『運動不足(動きが少ない)』
私たちの祖先は毎日何時間も歩いたり走ったり、物を持ち上げたり投げたり、体を曲げたり伸ばしたりしていました。
ところが、現代のほとんどの人は毎日何時間もパソコンの前に座り、毎日同じような限られた動作を繰り返しています。
残念なことに、筋膜ほど『使うか、失うか』という決まり文句が当てはまるものはありません。
なぜなら、筋膜は動かないと乾燥して硬くなり、ベタついてしまうからです。
運動不足は筋膜を不健康にするリストの第1位であり、筋膜にとっては最悪の事態なのです。
2002年におこなわれた、ラットの体の一部を3週間固定した研究の結果は衝撃的でした。
筋膜の綺麗な網目は、太くもつれて艶がなくなり、コラーゲン線維があらゆる方向に過剰に走っていました。
<電子顕微鏡写真>
Daniel Fenster(2020)『Free Your Fascia』Hay House Inc
A:固定する前のコラーゲン構造
B:3週間固定した後に撮影した同じ領域(コラーゲン線維の変化と崩壊が起こっている)
コラーゲン線維は、適切な刺激がなければ「きれいな庭」ではなく「雑草」のように成長します。
教訓 ①
「運動は化粧水」であり、毎日さまざまな方向に動く必要があります。
教訓 ②
運動した後は、水分の補給と休息が必要です。
定期的に身体を動かしていると、筋膜にかかる圧力によって水分が吸い上げられます。
そして、筋膜を休めると新鮮な水分が筋膜に送り込まれます。
この『運動と休息のサイクル』が、筋膜をリフレッシュさせて滑りやすさを保つ秘訣です。
【 運動する時のヒント】
① 可動域(動かせる範囲)をフルに使いましょう!
② 色々な運動を混ぜましょう!(歩行とラジオ体操など)
③ 左右を同じように、ゆっくり大きく動かしましょう!
※ 筋トレやランニングなどの激しい運動は必要ありません。
参考文献「FREE YOUR FASCIA」