そよ風 note
コラーゲンとエラスチン
私たちの身体は(骨、筋肉、血管、神経、心臓、内臓、脳までも)、『Fascia:ファシア』という『膜』で覆われていて『筋膜』はその一部です。
筋膜は、骨とともに身体を支えることから『第二の骨格(柔らかい骨格)』とも呼ばれています。
筋膜は『コラーゲン』と『エラスチン』という2つのタンパク質からできていて、ガーゼのような構造をしています。
コラーゲンには、引っ張る力に抵抗する性質『粘性(ねばる性質)』があるので、私たちの身体が一瞬で変形することはありません。
一方、エラスチンには、ゴムのように伸縮する性質『弾性(変形しても元の形に戻ろうとする性質)』があります。
この2つを合わせて『粘弾性』と言います。
エラスチンは元の長さの230%まで伸び、また元の形に戻ることができます。
耳や皮膚を引っ張ると伸びるのは『エラスチンの弾性』です。(子供の耳はよく伸びます)
ところが、エラスチンの弾性は、加齢や太陽の光によって、徐々に低下してしまいます。
エラスチンの弾性が低下すると、しなやかな(柔軟で弾力のある)動きが徐々に失われ、筋膜のトラブルが起こりやすくなります。
エラスチンの弾性の低下は、30代後半から起こりやすくなると言われています。
筋膜の状態が悪くなった時に起こること
① 局所または全身的な動き(可動域)の減少
首、肩、膝、などの動きの硬さを感じてきた、腕(肩)があがりづらくなった、脚があがりづらくなった、前屈みがきつくなった など
② 単純な動きに伴う『痛み』と『ぎこちなさ』
歩く、寝返りをうつ、ベッドから起き上がる、服を着替える など
③ 柔軟性の減少、弾性『はずみ』の不足
以前のようにしなやかに歩けない、動けない、ドスンドスンと歩く(階段昇降時)など
④ 不良姿勢
気がつくと猫背になっている、胸を張る(良い)姿勢がきつい など
⑤ 完全に消え去らない痛み
よくある訴えとして『私は、〇〇で治療を受けていました。その日は良いのですが、翌日には症状(痛みなど)が戻ってしまいます。』
このような症状は、筋膜の状態が悪くなったことを知らせるサインです。
痛みが慢性化してしまった⑤の場合は、そのまま同じ治療を受けても、改善する見込みは低いかもしれません。
痛む部位だけに焦点を当てた治療では、⑤のようなことが起こる可能性が高いです。
たとえば腰痛の場合:腰に電気を当てる、腰周辺をマッサージする、牽引をする など