そよ風 note

2023-10-13 12:00:00

腰痛とレントゲン その②

痛い人、痛くない人、1000人のレントゲン写真を撮って専門医に見せたとしても、この人には痛みがある、この人にはない、ということはわかりません。

北原雅樹著『日本の腰痛 誤診確率80%』より(集英社インターナショナル 2018)

 
人それぞれの腰椎

腰椎と骨盤.jpg 

これは、私が過去に施術した患者さんたちのレントゲンです。

老若男女、人それぞれの腰椎が写っています。

この中には、腰痛の方も腰痛ではない方もいますが、どなたが腰痛なのかは(ご本人と私以外)誰にもわかりません。

※圧迫骨折の方もいますが、陳旧性の(古い)もので痛みはありません。

この写真を専門医に見てもらっても、この中で誰が腰痛なのかはわからないのです。 

 

椎間板ヘルニアとMRI 

2023-10-13 12:00:00

腰痛とレントゲン その①

単純X線写真は、外来診療で最も用いられている画像である。しかし、単純X線写真は、非特異的腰痛の診断にはほとんど意味がない。現時点での退行性変性の診断における単純X線撮影の位置付けは限定的なもので、感染症疾患などを含む脊椎炎、骨折、あるいは腫瘍のような重篤な病態を否定するためにあると言ってよい。 

菊池臣一編著『腰痛 第2版』より(医学書院 2014)

  

慢性腰痛のないしまだのレントゲン 

腰は右凸側弯して、骨盤は左右の高さも違います。 

しまだ腰椎.png

腰の骨は変形して、椎間板も狭くなっています。 

しまだ腰椎2.png

私の腰椎には退行性変性(背骨の変形や椎間板の狭まり)がみられますが、慢性腰痛ではありません。

このような変性は、腰痛のない人にも普通にみられます。

腰痛の方に限った所見(腰痛の原因)ではありません。

 

レントゲン撮影は、腰痛の診断にはほとんど意味がありませんが、骨折や癌などの重篤な疾患はないと安心できる大きな意味があります。

以下のような重篤な疾患を示唆する症状が1つでもある時はレントゲン検査が必要ですので、すぐに病院を受診してください。

・外傷後に発生した激しい腰痛(高所からの落下、尻餅など)

・夜間や横になっていても続く激しい腰痛

・ステロイドの服用者、癌の病歴

・原因不明の体重減少

・高い発熱(38℃以上)

・血尿 

 

以下はごく稀です。

この症状は「痛み」ではなく「神経の麻痺」です。

・閉尿、便失禁

・歩行困難、お尻(肛門)周りの麻痺

  

腰痛とレントゲン その②

2023-10-12 21:00:00

心の痛みは本当に痛む

痛みとネガティブな感情は、深く絡み合っています。

私たちは、悲しいことや辛いこと(家族や仲間や恋人からの拒絶、別れなど)があった時、『心が痛む(傷ついた・折れた)』などと表現します。

近年、脳内の活動をオンライン(f MRI)で解析することができるようになり、痛みと感情の関係(身体的な痛みと心の痛みのつながり)が明らかになりました。

たとえば、人間関係で人に拒絶された時に傷つきやすい人は、身体的な痛みについても 強く不快と評価する傾向がある そうです。

また、たとえ傷つきやすくない人でも、社会的な苦悩(人間関係の中で苦しみ悩むこと)を経験をすると、身体的な痛みに対する 不快な知覚が増す そうです。

説得力のある事実として、人間関係における拒絶(ゲームのメンバーから外されるといった軽度な排斥でも)と身体的な痛みとは、脳の中の同じ領域 が活性化します。

もっと強力な拒絶を用いた研究では、恋人と別れたばかりの人に元恋人の写真を見せると、脳の中の感情的な痛み領域だけでなく、感覚的な痛み領域も活性化することがわかりました。

 

Social rejection shares somatosensory representations with physical pain 

『社会的拒絶は、身体的な痛みと体性感覚を共有する』

 

この研究は、2011年にミシガン大学がおこなったもので、NHKのヒューマニエンスという番組「"痛み"それは心の起源」でも紹介されていました。

『心が痛む(傷ついた・折れた)』といった表現は、単なる言葉のあやではなく、現実的な比喩だったのです。

 脳にとって『心の痛み』は『身体の痛み』と同じものなのです。

2023-10-10 06:00:00

『こころ』と『からだ』その③

『感情』は、自律神経と内分泌系と免疫系を介して、身体的な影響を現します。

その中でも、感情の影響が顕著に表れる神経系の反応は、前回に引き続き『筋肉の収縮』です。

不快な感情を抱くと、首や背中や腰など日常的によく使われる筋肉(特に大きな筋肉)が硬く緊張して痛みを感じさせます。

そして、血管や内臓の筋肉も同様に緊張します。

胃は、感情が身体に現れる代表的な臓器です。

私たちは、胃の具合によっても感情の動きを感じ取っています。

気分良く上手くいっている時は食欲満点ですが、気分悪く上手くいっていない時は食欲が減退します。

また、胃と同様感情の変化を起こしやすい臓器の一つが、長さ8メートルもある腸 (特に結腸)です。

『結腸はこころの鏡』

こころが緊張すると結腸も緊張すると言われています。

その結果起こる症状は、便秘や下痢です。

頭の内外の血管も感情の影響を受けやすく、多くの頭痛の原因になります。

2023-10-05 21:00:00

腰の痛みと背骨の変形

 

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供覧しているレントゲンは、慢性的な腰痛でお困りだった女性(69歳)の腰部です。

※ レントゲンは医師の協力により撮影されたものです。

ご夫婦でラーメン屋さんを営んでいるが、腰が痛くて立っているのが辛い』『立っていられなくなる』『仕事にならない』とのことだった

整形外科、整骨、鍼灸、整体、カイロ、マッサージなど 22ヶ所 に行ったが期待する効果を得ることができず、私が「23ヶ所目だ」とおっしゃっていた。 

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このレントゲン ① は、私が施術を開始した(腰がとても痛い)時のレントゲンです。

女性は『整形外科をいくつも行った(いつも同じ説明だった)ので覚えてしまった』と、以下のように私に説明してくれた。

:『背骨が変形して、棘のようになっている。』

 ○ 以外も同じように変形しています。これは「骨棘(こつきょく)」と言い、背骨や膝の関節にもよくある変形です。

↑:『椎間板が(2ヶ所)潰れている。』

※ これは「椎間板の狭小化」と言います。

そして。

『これは老化現象なので治らない。痛み止めを飲みながら、うまく付き合っていくしかない。』とのこと。

ところが。

施術を開始して23ヶ月ほどで改善が見られ、半年後には、ほぼ痛みなく1日立っていられるようになります。

 

本題はここからです。

その後、痛みが落ち着いても定期的に施術を受けにいらしていたが

施術開始から1年後(腰痛をほぼ忘れた時)の写真が、こちら ② です。 

      ⇓

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① と比べてみましょう。

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レントゲン ①(腰がとても痛い時  ②(腰痛をほぼ忘れた時)では、複数の医師から腰痛の原因と説明された、背骨の変形と椎間板の狭小化は全く変化(改善)していませんが、痛みは大きく変化(改善)しています。

1年経過しているので変形も進んでいるのかもしれませんが、たった1年では分かりません。

なぜなら、このような変形は、5年、10年、15年、20年・・・と時間をかけて、少しずつ変化していくからです。

この女性も、腰痛がなかった時でも、背骨の変形はすでに始まっていたはずです。

背骨と椎間板(特に腰椎)は、程度の差こそあれ、加齢とともに誰でも変形します。

 

私もご多分に漏れず、背骨は変形し椎間板は狭小化しています。 

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おまけに、その箇所はヘルニアですが、慢性腰痛も脚のしびれもありません。

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加齢による背骨の変形や椎間板の狭小化は、ぎっくり腰や慢性腰痛の原因ではありません。

慢性的な腰痛で困っていない方は病院を受診する(レントゲンを撮る)ことがないので、自分の背骨が変形していることを知りません。

中年期以降に腰のレントゲンを撮れば「誰でも、それなりの変形がみられる」ということです。