そよ風 note

2023-10-03 21:00:00

⑤『痛みやしびれが改善するしくみ』

 

腰痛をはじめとする慢性化した痛みには、痛みを起こしている部位の問題だけではなく、痛みに対する心理的な因子(不安や恐怖)も痛みの悪化や慢性化に関与しています。

 

 

『トリガーポイントの鎮静化(身体の機能的な回復)』と『痛みを正しく知る(心理的な支援を得る)』ことで、 痛みに対する不安や恐怖が軽減し、多くの痛みは自然に治っていくのです。

 

 

痛みやしびれは以下のしくみで改善していきます。

 

 

このしくみを『改善の好循環』としました。

 

 

    

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※1:トリガーポイントが鎮静化すると、些細なストレスに反応しなくなる。

 

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※2:痛み信号の発信回数が減ると、痛みが小さくなり、痛む時間も短くなる。

 

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※3:『痛みを知る』ことで、痛みに対する不安や恐怖が軽減する。

 

『痛みの閾値』が上がる。(痛みを感じにくくなる・痛み再発の防止にもなる)

 

たとえ痛みを感じても、以前のような不安や恐怖がなくなる。

 

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※4:交感神経の緊張が緩むと、アドレナリンが過剰に分泌されなくなる。

 

血管が拡張して血行がよくなる筋肉の緊張が緩和する・眠れるようになる

 

『痛みの閾値』が上がる。『眠りは王様』

 

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※5:血液の流れが改善すると、しびれを感じなくなる。

 

急激な血流量の増加も起きなくなる。

 

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※6:酸素と栄養素が十分に行き届くと、発痛物質(ブラジキニン)の産生が減少する。

 

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※1:受容器が反応する回数が減ると、トリガーポイントはさらに鎮静化する。

 

 

 

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施術を重ねることで

 

トリガーポイントが鎮静化していく

 

 

痛みやしびれのしくみを知る

 

 

動いてみる

 

 

『前ほど痛くないな・・・』

 

『痛みも長引かないな・・・』

 

『動けるぞ・・・』

 

 

痛みや身体に対する

 

不安や恐怖が軽減していく

 

 

ポジティブになる

 

自信がもてる

 

笑えるようになる

 

気分も高揚する 

 

 

痛みの閾値が上がる

 

 

痛みなく、動けるようになる

 

 

さらなる好循環

 

 

『そう言えば、最近痛くない。』

 

  

2023-10-03 15:00:00

筋膜はボディスーツ

 

皮膚の下には、浅いところにある『浅筋膜』と、深いところにある『深筋膜』があります。

 

筋膜は、頭のてっぺんから足の先まで繋がっていて、連続体として機能しています。

 

皮膚も連続体ですが、その下には筋膜という『ボディスーツ』を重ね着しているのです。

 

皮膚を部分ごとに分けることができないように、筋膜も分けることはできません。

 

身体が倒れないように姿勢を保ちながらも複雑な動きができるのは『筋膜・ボディースーツ』のおかげです。

 

2023-10-03 12:00:00

顎関節症とトリガーポイント

 

顎関節症は、程度の差こそあれ、2人に1人は経験すると言われています。

 

私も経験者の1人なので、あの痛みと辛さはよくわかります。

 

顎関節症を引き起こす要因を1つに絞ることはできませんが、噛み合わせの悪さや身体の歪みは含まれないと言われています。

 

近年では、歯ぎしりや食いしばり、心理社会的なストレス、歯科治療での開口保持などが主な要因として挙げられています。

 

現在、顎関節症は以下の4つに分類され、「筋性」と「関節性」の2つに分けることができます。

 

<顎関節症の病態分類(2013)>

1型:咀嚼筋痛障害 「筋性」

2型:顎関節痛障害 「関節性」

3型:顎関節円板障害 「関節性」

4型:変形性顎関節症 「関節性」

※ 重複する場合もあります。

 

この中で、顎関節症の患者さんの多くは、1型:※ 咀嚼筋痛障害(口を大きく開けられない、ご飯を食べるときに痛いなど)です。

 

 咀嚼筋(そしゃくきん)とは:下顎を上下に動かして、あくびをしたり、食べものを噛んだりするときに使う筋肉。

 

①:側頭筋(そくとうきん)

②:咬筋(こうきん)

③:外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

④:内側翼突筋(ないそくよくとつきん)

 

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筋膜性疼痛症候群(トリガーポイント)では、咀嚼筋を以下のよう捉えます。

 

① 側頭筋:顎関節症の主要な原因となる筋肉。

 

② 咬筋:重度の開口制限の原因となる筋肉。(身体の中でもっとも強力な筋肉)

 

③ 外側翼突筋:顎関節症を治療する際にとなる筋肉。

 

④ 内側翼突筋:顎関節症を治療するためには必要不可欠な筋肉。

 

※ は、顎の内側(口の中)にあるため触診が困難なことから、治療できる施術者は限られます。

『患者さんが顎の痛みを訴えているときに、内側翼突筋を治療しないのは間違っている』(Neuromuscular Therapy Manual より)

 

しまだでは、① 〜 ④ のすべてのトリガーポイントに治療をおこなうことにより、ほとんどの方が1回の施術で痛みなく開口できるようになります。

 

※ 発症から3ヶ月以上経過(慢性化)している場合、痛みなく開口できるようになっても噛むときに痛みが残るケースがあります。そのときはトリガーポイントのさらなる鎮静化のために継続した施術が必要になります。

 

 

以下の ①と② の症状が、1週間以上続いている方は早めにご相談ください。

 

【顎関節症の症状】

通常、口を大きく開けた場合、ご自身の指(人差し指・中指・薬指)が縦に3本分入ります。

顎関節症になると、指が2本分、またはそれ以下しか入らなくなります。

 

① 顎が痛む

・口の開け閉め、食べ物を噛むときなどに痛む

・硬いものが食べられない

 

② 口を大きく開けられない

・縦に指が2本程度、またはそれ以下しか入らない

・お寿司やおにぎりが食べられない

・大きなあくびができない 

 

※ 口を開け閉めしたときに「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がすることがありますが、症状が音だけで痛みを伴わず、指も縦に3本入る場合は治療する必要はないとされています。

 

※ たとえ噛み合わせを治しても、顎関節症が改善するとは限りません。治療費が高額であったり、歯を削ったりする治療法を提示されたときは慎重になったほうがよいでしょう。

 

※『顎関節症の原因は不明ですので、噛み合わせが悪いとか、体のバランスに問題があるとか、いかにも原因治療としている宣伝に安易に惑わされないことを勧めます。』(厚生労働省のe-ヘルスネットより)

 

 

【症例1】

60歳代 女性

10年ぶりに右顎の痛みと開口障害発症

 

主訴:口が大きく開けられない。ご飯を食べるのが痛い。

 

施術前:痛みを伴う開口制限(指が2本まで)

 

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触察の結果、各咀嚼筋(口腔内は右上下部)にトリガーポイントを確認

 

施術後:痛みなく指3本分の開口可能となる

 

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【症例2】

50歳代 女性 

歯科の検診で30分ほど開口を保持した後、左顎の痛みと開口障害発症。

 

担当の歯科医師に相談したところ

「これは治らないので、マウスピースで様子をみましょう」

「最終的には手術になるかもしれません」とのこと。

 

主訴:ご飯を食べるのが痛い。口が大きく開かない。

 

施術前:痛みを伴う開口制限(指が2本以下)

 

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触察の結果、各咀嚼筋(口腔内は左上部)にトリガーポイントを確認

 

施術後:痛みなく指3本分の開口可能となる

 

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 マウスピースも手術も不要になりました。

 

 

顎関節症は、時間の経過とともに自然に改善することもありますが、慢性化してしまうこともあります。

 

マウスピース(スプリント)を装着して数ヶ月経過をみることもあるようですが、慢性化を防ぐためにも1日も早く痛みなく開口できるようになる(トリガーポイントを鎮静化させる)ことが先決です。

 

顎関節症も筋膜性疼痛症候群(トリガーポイント)と捉えて対処すると、多くの患者さんが短期間でよい結果を得ることができます。

2023-09-30 13:00:00

みなさまからいただいたお声

 

2年に及ぶ腰痛と足のしびれから・・・(70代 男性)

整形外科の先生からは脊柱管狭窄症との診断を受け手術を勧められていましたが、娘の紹介で島田先生のところへ行きました。

正直なところ最初は半信半疑でしたが、島田先生から背骨の変形と痛みの関係を細かに説明していただき納得がいきましたので治療を受けました。

私の場合は2ヶ月ほど治療を受けると、ほぼ痛みなく生活できるようになりました。

先日、整形外科へ行きましたが、痛くないのなら手術はしなくていいと言われました。

これも島田先生の言う通りでした。ありがとうございました。

 

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心と身体は繋がっているということを感じられる施術です。(50代 女性)

いろいろな整体を試してもすぐまた同じ状態になるのですが今回は初めての感覚を味わえたので、少し続けて通ってみたいと思ってます。

 

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施術室はとても綺麗で清潔感がありリラックスできます。(40代 女性)

初めての施術は肩が刺されているような痛みが続いていたのでお願いしました。

施術後に先生から【72時間後に効果がありますよ。】といわれたのですが【本当にこの痛みなくなるんだろうか?】半信半疑で帰ったのを覚えています。

しかし施術から3日後(72時間後)本当に痛みがひきました!先生、疑ってすみませんでした!

そのあとは肩の痛みはもちろん、腰が痛くなった時にも通院させていただいております。これからもよろしくお願いいたします!

 

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肩こりは日常的にあり・・・(40代 女性)

背中が痛くなった時に一時的ケアとして接骨院やオイルマッサージへ行っていたけど、今回初めてこちらに伺いました!

室内はキレイで、先生の人柄も良く、かつ丁寧なカウンセリングから始まり安心できました。

痛いマッサージが苦手なのでどんな治療されるかドキドキしてましたが痛いことはされず、緩やかな施術はとてもリラックスできました!

施術後は、うまく表現できないですが身体がふわっと上にいく感覚でとてもスッキリしました。

慢性的な痛みに対して改善できるかもと初めて思えました。

今後もお世話になります!!ありがとうございました! 

 

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強い力で押されるマッサージばかり行ってたので・・・(40代 女性)

微振動の施術が新鮮でした。施術後、慢性的な胃痛や首の痛みがおさまりとても満足しています。

この状態をキープしたいのでまた伺います!

 

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初めての施術でしたが・・・(50代 女性)

前もって説明をしっかりしてくださったので不安なく受けることが出来ました。

軽い振動でしたが終わった後は温泉から上がった後のような心地よいけだるさで、その日は何となくだるさがありましたが翌日の朝にいつもより体が軽くなっていて効果を実感しました。

お尻の痛みは変わりないですが少し時間が掛かるとおっしゃっていたのでしばらく通わせて頂こうと思います。

ありがとうございました。

 

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翌日はびっくりするほど体が(特に上半身)軽くなり・・・(50代 女性)

こんなに楽な体は何年ぶりだろうと思うくらいでした。

場所によっては丁寧に声を掛けてくださるので安心して受けることが出来ます。

今まで対処療法でどうにかごまかしてきた腰、お尻の痛みを完治させる為にしばらく通いたいと思います!

 

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久しぶりに深い眠りにつけました。(30代 女性)

まだ頭痛だけ少し気になりますが、身体の調子はよくなりつつあります。

あの深くリラックスした感覚が忘れられません。

また気になったらお邪魔したいと思います。

 

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心身共に疲れていたため・・・(40代 女性)

整体や整骨院へ行くより良いかもと思い訪問しました。

先生が丁寧にお話を聞いてくださりカウンセリング、施術についてきちんと説明があり、施術へ入ったので安心して受けれました。

初めて受ける施術でしたが特に違和感がなかったです。お部屋も広くてゆったりしており居心地が良かったです。

頭が軽くなった気がしました。一度ではまだよくわかりませんがまたメンテナンスの一つとしてお願いしたいと思います。

 

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首、肩の痛み(コリ)がひどく・・・

頭痛まで出てしまう症状で長年苦しんでいました。

友人からこちらの先生を紹介されて初めて伺いましたが、丁寧に説明してもらって、好印象でした。

院内も綺麗で、色々な病院や整骨院を回りましたが、こちらは予約制で1対1で受けられ、特別感の高い治療でした。

暫く通ってみようと思います。

 

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ヘルニアで手術を予定していましたが・・・(30代 男性)

先生の話を聞いて信じて施術を受けてよかったです。

おかげさまで手術せずにすみました。ありがとうございました。

 

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2023-09-29 15:00:00

無視され続けた筋膜

 

筋膜 それは忘れられてきた器官

 

その存在をシンデレラのように無視され続けて数十年、筋膜は生命科学の分野の中で突然脚光を浴び始めました。

 

ほとんどの系統解剖学の解剖において事実上廃棄されていた期間、この無色の線維組織は、大部分がつまらない、自力で運動できない包装容器のように扱われていました。

 

この無視にはいくつかの理由がありました。

 

一つは、深層の艶のある筋肉や臓器と比較して、この組織はどこにでもあるけれども他と区別できる明確な境界がなく、無秩序な組織のようにみえる、というところにあります。

 

科学的に軽視されたもう一つのもっと重要な理由は、適切な測定機器がなかったということです。

 

X線撮影では骨を、筋電図では筋を詳細に研究することができましたが、筋膜の変化は測定が困難でした。

 

例えば、大腿筋膜あるいは腰部の筋膜の厚さは通常2mm未満なので、局所的に20%の厚さの増加があっても超音波画像では見分けられないほどわずかです。

 

しかし、施術者の手にかかると容易に触診可能であろうし、自身の動きの中で感じられるであろう増加量です。

 

この不幸な状況は近年大きく変わりました。

 

超音波測定の進歩、同じく組織学の進歩は、結果的に筋膜に関する研究の劇的な増加をもたらしました。

 

臨床現場の施術者である手技療法、物理療法、瘢痕治療、腫瘍学、外科およびリハビリテーション医学など多くの分野の関係者が非常な関心を抱いて、この流れに乗ってきました。

 

 

「スポーツと運動の筋膜」より

https://www.roundflat.jp/products/books/fascia/fascia.html


編著:Robert Schleip and Amanda Baker

監訳:竹内京子

出版社:ラウンドフラット