『筋膜ケア』 の 施術室 しまだ

そよ風 note

2023-10-13 12:00:00

腰痛とレントゲン その①

  

『単純X線写真は、外来診療で最も用いられている画像である。しかし、単純X線写真は、非特異的腰痛の診断にはほとんど意味がない。現時点での退行性変性の診断における単純X線撮影の位置付けは限定的なもので、感染症疾患などを含む脊椎炎、骨折、あるいは腫瘍のような重篤な病態を否定するためにあると言ってよい。』

 

菊池臣一編著『腰痛 第2版』より IMG_4063.png (医学書院 2014)

 

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慢性腰痛のない

しまだのレントゲン

 

腰は右凸側弯して、骨盤は左右の高さも違います。

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腰の骨は変形して、椎間板も狭くなっています。

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私の腰椎には退行性変性(背骨の変形や椎間板の狭まり)がみられますが、慢性腰痛ではありません。

 

このような変性は、腰痛のない人にも普通にみられます。

 

腰痛の方に限った所見(腰痛の原因)ではありません。

 

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レントゲン撮影は、腰痛の診断にはほとんど意味がありませんが、骨折や癌などの重篤な疾患はないと安心できる大きな意味があります。

 

以下のような重篤な疾患を示唆する症状が1つでもある時は、レントゲン撮影が必要です。

 

すぐに病院を受診してください。

 

・外傷後に発生した激しい腰痛(高所からの落下、尻餅など)

・夜間や横になっていても続く激しい腰痛

・ステロイドの服用者、癌の病歴

・原因不明の体重減少

・高い発熱(38℃以上)

・血尿 

以下はごく稀です。この症状は「痛み」ではなく「神経の麻痺」です。

・閉尿、便失禁

・歩行困難、お尻(肛門)周りの麻痺

 

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腰痛とレントゲン その IMG_4061.png

2023-10-13 12:00:00

腰痛とレントゲン その②

  

『痛い人、痛くない人、1000人のレントゲン写真を撮って専門医に見せたとしても、この人には痛みがある、この人にはない、ということはわかりません。』

 

北原雅樹著『日本の腰痛 誤診確率80%』より IMG_4063.png(集英社インターナショナル 2018)

 

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人それぞれの腰椎

 

腰椎と骨盤.jpg 

 

老若男女、人それぞれの腰椎が写っています。

 

この中には、腰痛の方も腰痛ではない方もいますが、どなたが腰痛なのかは(ご本人と私以外)誰にもわかりません。

 

*圧迫骨折の方もいますが、陳旧性の(古い)もので痛みはありません。

 

この写真を専門医に見てもらっても、この中で誰が腰痛なのかはわからないのです。

 

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椎間板ヘルニアとMRI IMG_4061.png 

2023-10-13 12:00:00

椎間板ヘルニアとMRI

  

 

『MRIの出現により、脊椎の異常診断能力は向上した。只、無症候例に高頻度な形態学的異常も少なくないことも明らかになった。最近では腰痛出現後に撮影されたMRI所見が、腰痛を説明するような新たな所見である可能性は低いことが指摘されている。』

 

 

菊池臣一編著『腰痛 第2版』より IMG_4063.png(医学書院 2014)

 

 

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『椎間板ヘルニアが画像で認められても、それが必ずしも痛みを起こしているわけではないことが明らかになってきているのです。』

 

 

菊池臣一著『腰痛のナゼとナゾ』より IMG_4063.png(メディカルトリビューン 2011)

 

 

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『私は巨大なヘルニアを持っていますが、腰痛とは無縁の生活を送っているのです。私だけ特別に腰痛を起こさないわけではありません。』

 

 

菊池臣一著『腰痛のナゼとナゾ』より IMG_4063.png(メディカルトリビューン 2011)

 

 

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慢性腰痛も脚のしびれもない

しまだのMRI

 

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私もヘルニアを持っていますが、慢性腰痛ではありません。 

 

レントゲン同様、専門医にこの画像を見せても、腰痛と脚のしびれの有無はわかりません。

 

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For many years now, MRI scans have been the ultimate in futuristic medicine. But while these machines are miraculous in some ways, they can be worse than useless for diagnosing low back pain.

「MRIは未来の医療と言われて久しい。この機械はある意味では奇跡的なものですが、腰痛の診断には役に立たないこともあります。」

 

 

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Many people with no pain have all kinds of things “wrong” with their backs, and vice versa. Many problems revealed by scans that seem like “obvious” problems are not.And so the diagnosis and treatment often goes spinning off in the wrong direction.

「痛みのない人の中には、脊椎に様々な問題を抱えている人が多く、その逆もまた然りです。スキャンによって明らかになったことの多くは、一見「明らかな」問題のように見えますが、そうではありません。そのため、診断や治療が間違った方向に空回りしてしまうことが多いのです。」

 

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Fifty-six patients with uncomplicated lumbar disc prolapse were carefully assessed, finding almost no correlation at all between symptoms and the size and position of the bulge.

「合併症のない腰椎椎間板脱出(ヘルニア)の患者56人を注意深く評価したところ、症状と膨隆の大きさや位置との間にほとんど相関関係は見られませんでした。」

 

There is no direct correlation between the size or position of the disc prolapse and a patient's symptoms. The symptoms experienced by patients should be the primary concern in deciding to perform discectomy.

「椎間板脱出(ヘルニア)の大きさや位置と患者の症状には直接的な相関関係はありません。椎間板摘出術を行うかどうかは、患者が経験する症状を第一に考えるべきです。」

 

2023-10-12 21:00:00

心の痛みは本当に痛む

 

痛みとネガティブな感情は、深く絡み合っています。

 

私たちは、悲しいことや辛いこと(家族や仲間や恋人からの拒絶、別れなど)があった時、『心が痛む(傷ついた・折れた)』などと表現します。

 

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近年、脳内の活動をオンライン(f MRI)で解析することができるようになり、痛みと感情の関係(身体的な痛みと心の痛みのつながり)が明らかになりました。

 

たとえば、人間関係で人に拒絶された時に傷つきやすい人は、身体的な痛みについても 強く不快と評価する傾向がある そうです。

 

また、たとえ傷つきやすくない人でも、社会的な苦悩(人間関係の中で苦しみ悩むこと)を経験をすると、身体的な痛みに対する 不快な知覚が増す そうです。

 

説得力のある事実として、人間関係における拒絶(ゲームのメンバーから外されるといった軽度な排斥でも)と身体的な痛みとは、脳の中の同じ領域 が活性化します。

 

もっと強力な拒絶を用いた研究では、恋人と別れたばかりの人に元恋人の写真を見せると、脳の中の感情的な痛み領域だけでなく、感覚的な痛み領域も活性化することがわかりました。

 

Social rejection shares somatosensory representations with physical pain IMG_4063.png

『社会的拒絶は、身体的な痛みと体性感覚を共有する』

 

この研究は、2011年にミシガン大学がおこなったもので、NHKのヒューマニエンスという番組「"痛み"それは心の起源」でも紹介されていました。

 

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『心が痛む(傷ついた・折れた)』といった表現は、単なる言葉のあやではなく、現実的な比喩だったのです。

  

脳にとって『心の痛み』は『身体の痛み』と同じものなのです。

2023-10-10 06:00:00

『こころ』と『からだ』その③

 

『感情』は、自律神経と内分泌系と免疫系を介して、身体的な影響を現します。

 

その中でも、感情の影響が顕著に表れる神経系の反応は、前回に引き続き『筋肉の収縮』です。

 

不快な感情を抱くと、首や背中や腰など日常的によく使われる筋肉(特に大きな筋肉)が硬く緊張して痛みを感じさせます。

 

そして、血管や内臓の筋肉も同様に緊張します。

 

胃は、感情が身体に現れる代表的な臓器です。

 

私たちは、胃の具合によっても感情の動きを感じ取っています。

 

気分良く上手くいっている時は食欲満点ですが、気分悪く上手くいっていない時は食欲が減退します。

 

また、胃と同様感情の変化を起こしやすい臓器の一つが、長さ8メートルもある腸 (特に結腸)です。

 

『結腸はこころの鏡』

 

こころが緊張すると結腸も緊張すると言われています。

 

その結果起こる症状は、便秘や下痢です。

 

頭の内外の血管も感情の影響を受けやすく、多くの頭痛の原因になります。

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