そよ風 note
筋膜の状態が悪くなった時に起こること
① 局所または全身的な動き(可動域)の減少
首、肩、膝、などの動きの硬さを感じてきた、腕(肩)があがりづらくなった、脚があがりづらくなった、前屈みがきつくなった など
② 単純な動きに伴う『痛み』と『ぎこちなさ』
歩く、寝返りをうつ、ベッドから起き上がる、服を着替える など
③ 柔軟性の減少、弾性『はずみ』の不足
以前のようにしなやかに歩けない、動けない、ドスンドスンと歩く(階段昇降時)など
④ 不良姿勢
気がつくと猫背になっている、胸を張る(良い)姿勢がきつい など
⑤ 完全に消え去らない痛み
よくある訴えとして『私は、〇〇で治療を受けていました。その日は良いのですが、翌日には症状(痛みなど)が戻ってしまいます。』
このような症状は、筋膜の状態が悪くなったことを知らせるサインです。
痛みが慢性化してしまった⑤の場合は、そのまま同じ治療を受けても、改善する見込みは低いかもしれません。
痛む部位だけに焦点を当てた治療では、⑤のようなことが起こる可能性が高いです。
たとえば腰痛の場合:腰に電気を当てる、腰周辺をマッサージする、牽引をする など
テンセグリティー その①
テンセグリティー (Tensegrity) は、張力(Tensile) と 完全性 (Integrity) から生まれた造語で、私たちの身体の『新たな構造モデル』です。
テンセグリティー模型
骨盤と脚のテンセグリティー模型
この構造は、持続的な張力と局所の圧縮力によって保持されていますが、安定性は張力のバランスに依存しています。
これは、人体に限られたものではなく、炭素原子、水分子、たんぱく質、ウイルス、細胞、組織、そのほかの生物などさまざまな自然系が、テンセグリティーを利用して構築されています。
私たちのからだに加わった力(エネルギー)は、このテンセグリティー構造全体を揺らす波となって消えていきます。
その力は必ずゆがみを生じますが、ゆがみが局所に集中することはなく、からだ全体へ均等に分散されます。
したがって、首や骨盤などの局所が歪むことはありません。
偏ったこわばりや緊張がなく、柔軟でバランスのとれた構造ほど(左右対称という意味ではありません)、効率よく衝撃を吸収できる「効率の良い身体」ということになります。
しかし、からだの一部のバランスが崩れると、必ず他の部位にストレスがかかるため、ある部位に生じた問題(こわばりや緊張)は、からだ全体の構造や動きに影響を及ぼすことになります。
ある部位にかかったストレスの影響がからだ全体に及ぶのと同様に、ある部位の柔軟性や可動性が回復すると、周囲の組織のみならず、その影響を受けていた離れた部位の状態も改善していきます。
テンセグリティ模型の引っ張り材の1本を弾くとその振動は構造全体に伝わりますが、私たちのからだでも、それと同じことが起きているのです。
テンセグリティー模型・振動の伝わり
(弾いているのは、小学生の時の娘です)
私が、痛む部位だけでなく、からだ全体に施術をおこなうのは、人体がテンセグリティー構造だからです。