そよ風 note

2025-03-01 18:00:00

『キートリガーポイント』 ⇨ 『サテライトトリガーポイント』

 

トリガーポイントが形成された筋・筋膜には局所的に緊張が亢進した領域があり、そこを触診すると痛みを感じる『トリガーポイント』が見つかります。(時には口の中にもです)

 

ところが、トリガーポイントは患者さんが症状を感じる領域にあるとはかぎりません。

 

したがって、トリガーポイントを探す時には、患者さんが症状を感じている領域だけではなく、離れた領域(筋膜の連鎖)も考慮する必要があります。

 

 

最初のトリガーポイント『キートリガーポイント』に対して適切なケアを受けられないでいると、そのトリガーポイントがきっかけとなって、二次的に新たなトリガーポイント『サテライト(キートリガーポイントから離れたところにある)トリガーポイント』が形成されて新たな症状が現れてきます。

 

 

たとえば、『胸鎖乳突筋(首)』にキートリガーポイントが形成されると『側頭筋(頭)』『咬筋(頬)』『眼輪筋(目のまわり)』『前頭筋(額)』などにサテライトトリガーポイントが形成されます。

 

 

『キートリガーポイン』 ⇨ 『サテライトトリガーポイント』の症例として

 

 

『以前は 首・肩こり だけだったのに』 ⇨ 『最近は 頭痛(耳鳴り、めまい)も感じる』

 

 

『以前は 首・肩こり だけだったのに』 ⇨ 『最近は 腕も痛い

 

 

『以前は 腰痛 だけだったのに』 ⇨ 『最近は 脚の付け根や膝も痛い』

 

 

この傾向は、時間が経てば経つほど強くなります。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

サテライトトリガーポイントは、キートリガーポイントよりも新しいために症状が強く現れる傾向があるので、治療のポイントとして選択されやすいです。

 

しかし、サテライトトリガーポイントを治療して一時的に症状が軽減したとしても、キートリガーポイントを治療しなければ、症状の再発を繰り返してしまいます。

 

治療を受けていてもなかなか効果を得られなかったり、症状の再発を繰り返したりする場合は

 

 

・見当違いの治療がおこなわれている

 

たとえば、脚に現れた痛みやしびれを、坐骨神経痛(神経の圧迫による症状)と判断するか、トリガーポイントによる関連痛と判断するかでは、患者さんが受ける治療は異なります。

 

膝の痛みを関節の変形(軟骨のすり減り)、腰の痛みをヘルニアや狭窄症(背骨の変形・椎間板の変性)と判断されている時も同じです。

 

 

・サテライトトリガーポイントばかりを治療している

 

治療者がキートリガーポイントを探し出せていない。(見逃し・探索不十分)

 

可能性があります。

 

患者さんが症状を訴える領域(ほとんどの場合がサテライトトリガーポイント)に対する治療でも、一部(軽症)の患者さんは期待する結果を得ることができるかもしれませんが、症状が長期化(重症化)した患者さんは期待はずれの結果を得ることになってしまいます。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

慢性的な痛みでお困りの方には、今まで見つけてもらえなかったトリガーポイントがいるはずです。

  

 

施術中、私は患者さんと以下のような会話をします。

 

 

私:『〇〇さん、いましたね、ここに』

  『ここ痛くないですか?』

 

患者さん:『あー・・・はい、そこ痛いです』

 

 

トリガーポイントがより過敏化している場合は、身体が飛び上がる(ジャンプサインが現れる)ほどに痛いこともありますが、患者さん(脳)は、そこがそんなに痛いことを認識していません。

 

 

私:『では、こうすると(ズーンと)響く感じがしますか?』

 

患者さん:『あー・・・はい、(どこに)響く感じがします、けっこう痛いです・・・』

 

私:『では、ここいきますよ』

 

患者さん:『はい』 

 

 

このようなトリガーポイントほどキートリガーポイントの可能性が高く、多くの症例が改善につながります。

2025-03-01 09:00:00

患者さんのデータ

 

2018年4月〜2022年10月末までに、施術室 しまだをご利用いただいた患者さんのデータです。

 

・男女比

・年齢分布

・部位・症状別の割合

・お住まいの地域:1

・お住まいの地域:2

・しまだを知ったきっかけ

・受けていた施術や治療

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

 

<患者さんの男女比>

 

2F8EE58A-577B-4F61-BED3-4A454C13A351.jpeg

 男性:33%  女性:67%

 

7割近くの患者さんが女性です。 

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

<患者さんの年齢分布>

 

 

7CCD35D1-3BA6-413E-BFBB-EBC641759F0E.jpeg

 

19歳以下:4%  20歳代:10%

30歳代:19%  40歳代:23%

50歳代:20%  60歳代: 9%

70歳代: 9%  80歳以上:4%

 

30歳代から50歳代の方で

 

6割以上となります。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

 <部位・症状別の割合>

 

6BC585C7-0CA0-4CF5-A77E-B7A76B885598.jpeg

 

複数の症状を有する患者さんが多いです。 

 

(首と腰と膝の痛み など)

 

 

・頭〜顔:13%

頭痛(トリガーポイントを起因とした緊張性頭痛)、耳鳴り、めまい、目の奥の痛み、顎関節症(顎内障)など

 

・首〜肩・背中:29%

首や肩の痛み・こり感、背中(肩甲骨内側)の痛み、四十肩、ストレートネック、椎間板ヘルニア、寝違え など(腕や手のしびれを伴う方も含む)

 

・腰(臀部):33%

慢性腰痛、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、分離・滑り症 など

 

・下 肢:20%

膝や股関節(変形性膝関節症・股関節症)の痛み、足底筋膜炎、脚のしびれや突っ張り、こむら返り、いわゆる坐骨神経痛 など

 

・上 肢:5%

テニス肘(外側上果炎)、手指のしびれ、CM関節症、ばね指、へバーデン・ブシャール結節、いわゆる腱鞘炎 など

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

<患者さんのお住まいの地域:1>

 

AD6A88B9-0E05-4F95-B939-65B175168070.jpeg

 調布市内:45%  調布市外:55%

 

半数以上の方が

 

調布市外からお越しいただいています。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

<患者さんのお住まいの地域:2>

 

EB0DB66B-4F4C-4E32-B094-FF49915725DF.jpeg

 

・23区:32%

練馬区・杉並区・世田谷区・中野区・新宿区・渋谷区・目黒区・品川区・板橋区・北区・大田区・江東区・足立区

 

・多摩地域:60%

三鷹市・武蔵野市・狛江市・東村山市・東久留米市・東大和市・小平市・小金井市・府中市・稲城市・国分寺市・国立市・立川市・町田市・福生市・多摩市・八王子市・あきる野市

 

・東京都以外:8% 

千葉県・埼玉県・山梨県・神奈川県・静岡県・兵庫県

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

<しまだを知ったきっかけ>

487ECB43-1EB3-49CA-BF9E-354814572473.jpeg 

ご紹介:55%  しまだのHP・HPB:45%

 

 

HPB:ホットペッパービューティー

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

<受けていた施術や治療>

 

E480CADF-5B39-48C5-9690-7F8506928162.jpeg

 

・整骨、整体、鍼灸など:58%

受けていた施術

電気(低周波や超音波)、マッサージ、鍼灸、カイロ、整体 など

 

・整形外科:36%

受けていた治療 

鎮痛薬などの投薬、理学療法(電気や牽引)、筋力訓練、膝へのヒアルロン酸注射 など

 

・受けていない:6%

 

 

IMG_3377.jpeg

 

しまだに来られるまで、ほとんどの方が施術や治療を受けていました。

 

問診票でその効果をお聞きしたところ「変わらない」が最も多かったです。 

 

 

A08829C8-D026-4319-821A-57BB5B8E8650.jpeg 645DFADB-9B87-4CE7-8AD6-6D99BC3B3D57.jpeg

05602D94-6232-42C6-9AB5-9A2524D7B909.jpeg50DAA713-775F-4464-B23F-A02C5C1845E3.jpeg

609273EE-7CB6-4DC7-8935-7B109F67D111.jpeg46987959-4905-4682-8D01-0383904D34BF.jpeg

8B8D25E7-9B89-48DF-BF08-933935DE4EC2.jpeg335E5D8B-9E43-47A1-9ABF-C6F346617270.jpeg

 

7E4D44B2-CFCB-4E7E-9B6B-6E2929D73DDE.jpeg9D3F0C17-032E-454B-8613-0F497A794C36.jpeg

 

2025-03-01 09:00:00

間違われやすい診断

 

筋膜性疼痛症候群は誤診されやすい

 

 

筋膜性疼痛症候群は、一般の病院では正しく理解されにくい 傾向があります。

 

 

レントゲンやMRIなどの画像検査の結果からは、以下 ✔︎ のような疾患と誤診されてしまうケースがほとんどです。

 

 

そのため、筋膜性疼痛症候群に対する適切な治療を受けられず、痛みやしびれが長引いてしまう ことが多くあります。

 

 

さらには、本来であれば 必要のない手術を受けてしまう ケースも少なくありません。

 

 

正しい判断と適切な施術を受けることが、痛み改善への第一歩です。

 

 

✔︎ 椎間板ヘルニア(頸椎・腰椎)

 

✔︎ 脊柱管狭窄症

 

✔︎ 脊椎分離・すべり症

 

✔︎ 変形性脊椎症(頸椎症・腰椎症)

 

✔︎ 変形性膝関節症・変形性股関節症

 

✔︎ いわゆる「坐骨神経痛」

 

✔︎ 顎関節症

 

✔︎ 四十肩・五十肩・肩関節周囲炎

 

✔︎ 上腕骨外側上果炎(テニス肘・野球肘)

 

✔︎ 足底筋膜炎 

 

✔︎ 加齢による背骨の変形

 

✔︎ 軟骨や半月板のすり減り

 

✔︎ 神経の圧迫による痛みやしびれ

 

 

 

 

腰痛と画像検査 

 

 

坐骨神経痛の成りすまし

 

 

テニスをしないNさんの「テニス肘」

 

 

脊椎の手術と後悔の涙

 

 

顎関節症とトリガーポイント

 

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

 

以下は https://www.painscience.com より

 

 

Most back pain should not be attributed to disk herniations. In many cases, trigger points in cranky lumbar paraspinal muscles are probably a more important factor and a more treatable one. Relieving trigger points may be a way of improving tissue health to the point where nerves are no longer sensitive to minor stresses.

 

ほとんどの腰痛は、椎間板ヘルニアに起因するものではありません。多くの場合、腰部傍脊柱筋のトリガーポイントがより重要な要因であり、治療可能なものです。トリガーポイントを解消することで組織の健康状態が改善され、ちょっとしたストレスにも神経が敏感に反応しなくなることが考えられます。

 

 

The number one general category of misdiagnosis for trigger points is probably nerve pain.

 

トリガーポイントの誤診の第一位は、神経痛でしょう。

 

 

Referred pain from trigger points particularly leads to the most common of all trigger point misdiagnoses:mistaking trigger points for nerve pain …

 

トリガーポイントからの反射的な痛みは誤診の中でも最も一般的なもので、トリガーポイントを神経痛と間違えてしまうことです。

 

 

 

 

 

IMG_3395.jpeg

 

 

  

 

 

55899D2B-D3FF-4DBC-85EA-86264F88D4CF.jpeg

 

 

 

これは、しまだの腰部MRIです。

 

L5/S1間にヘルニアがありますが

 

腰痛も下肢痛(しびれ)もありません。

2025-03-01 09:00:00

痛みやしびれを感じるしくみ

 

痛みやしびれを感じる部位や程度は人によって異なりますが、そのしくみは『みな同じ』です。

 

 

慢性的な痛みやしびれでお困りの方が、ご自身にとって『最適な治療や施術を受ける』ためにはそのしくみを知ることがとても大切です。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

慢性痛が国際疼痛学会で定義され、『痛みの生理学』は飛躍的に発展しました。

 

 

慢性痛の研究が進むにつれて『痛みを知る(正しく理解する)』と『痛みをコントロールできるようになる』ことがわかってきました。

 

 

ところが。

 

 

『痛みを誤って理解している(させられている)』と『痛みの慢性化(痛みの悪循環)に拍車がかかる』こともわかりました。

 

 

『痛みを知る』ということは『痛み治療の一つ』でもあり、ヘルスリテラシーを高めて大切な『身体とお金を守る』ことができるようになります。

 

 

『痛みやしびれを感じるしくみ』が、いつまでも どこへ行ってもよくならない慢性的な痛みやしびれでお困りの方の一助となれば幸いです。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

①『2つの痛み

 

 

②『痛みを感じるしくみ』

 

 

③『しびれを感じるしくみ』

 

 

④『痛みやしびれが慢性化するしくみ』(痛みの悪循環)

 

 

⑤『痛みやしびれが改善するしくみ』(改善の好循環)

 

2025-03-01 09:00:00

腰痛と画像検査

 

近年、『椎間板ヘルニア(頚椎および腰椎)』『脊柱管狭窄症』『分離症やすべり症』『変形性脊椎症』などの 構造的な異常が、痛みやしびれなどの症状とは必ずしも直結しない(直ちに症状と結びつけることはできない)ことが明らかになってきました。

 

えば、MRIで椎間板ヘルニアが見つかっても、まったく無症状の人がいる一方で、強い痛みを訴える人もいます。

 

この事実は、「画像上の異常 = 痛みの原因」とは一概に言えないことを示しています。

 

しかし現在でも、レントゲンやMRIの画像で見つかった構造的な異常を、そのまま症状の原因と捉える傾向が強く残っています。

 

その背景には『構造的な異常(元の状態には戻らない変化)が、痛みやしびれの原因です』と説明したほうが、慢性的な症状が思うように改善がみられない場合でも納得しやすいことが挙げられます。また、治療(手術)や通院に対する患者さんの理解や同意を得やすいこともあるでしょう。

 

 

IMG_3377.jpeg

 

 

 

以下では、整形外科やペインクリニックの先生方の著書から一部を引用し、その内容にあわせて(私と私が施術した患者さんの)画像を供覧しています。ぜひ、参考にしてください。

 

 

腰痛とレントゲン その① 

 

 

腰痛とレントゲン その 

 

 

腰の痛みと背骨の変形 

 

 

椎間板ヘルニアとMRI

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...