そよ風 note
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- 症状別に関連する筋肉
脚の付け根の痛みに関連する筋肉
脚の付け根の痛みには、大腿骨骨頭壊死、大腿骨頸部骨折、化膿性股関節炎 などによるものもあります。また、小児〜思春期では ペルテス病や大腿骨頭すべり症 などもあります。
特に
- 転んだり、尻餅をついたりした後に痛みが出てきた
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 発熱を伴う
- 体重をかけられないほど痛い
- 小児の股関節痛
などの場合は、必ず整形外科などの医療機関を受診してください。
◾️画像上の異常(関節の変形)が、痛みの原因とは限りません
国際疼痛学会は「変形性股関節症にみられる画像上の軟骨変性と、患者さんが感じる痛みとの関連は弱く、軟骨の変性がそのまま痛みを意味するわけではない」と説明しています。
そして、痛覚の過敏化、筋肉からの関連痛、睡眠状態、心理的要因、肥満や糖尿病など、複数の要因が痛みを強める可能性がある としています。
◾️脚の付け根の痛みとトリガーポイント
トリガーポイントに関する研究では、変形性股関節症の患者さんに「腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)、大腿直筋、大腿筋膜張筋、小臀筋」などにトリガーポイントが認められることが報告されています。
長時間の座り仕事、歩きすぎ、坂道の上り下り、繰り返し物を蹴る動作、乗馬、オートバイに乗る、ジョギング、ランニング、腹筋運動などをきっかけに、脚の付け根やお腹、お尻、太ももなどにトリガーポイントや筋拘縮が生じることがあります。
◾️脚の付け根の痛みに伴うさまざまな症状
- 歩くと脚の付け根が痛い
- 起床後や歩き始めに痛みがある
- 歩くときのリズムが変わった
- 階段を上がるときに脚の付け根が痛い
- 車の乗り降りがつらい
- 深いソファから立ち上がるのがつらい
- 靴下やズボンを履く動作がつらい
- 足の爪を切る姿勢がつらい
- あぐらがかきにくい
◾️脚の付け根の痛みに関連する筋肉
※トリガーポイントは筋肉のどの部位にも生じる可能性があるため、トリガーポイントの位置を「×」のように示していません。
腰痛に関連する筋肉
WHO(世界保健機関)は、腰痛の約90%は、画像検査などでは腰痛を引き起こしている原因を特定することができない『非特異的腰痛』であるとしています。
一方、『特異的腰痛』とは、骨折、感染症、悪性腫瘍 など、腰痛を引き起こしている原因を特定することができるものです。
国際疼痛学会も『レントゲンやMRIで椎間板の変化、骨棘、すべり、脊椎の配列変化などが見つかることがありますが、同じ所見は痛みのない人にも認められるため、画像上の変化だけから「これが痛みの原因です」と判断することはできない』としています。
また、「身体の構造的なずれが腰痛を引き起こす」「悪い姿勢が腰痛を起こす」「背骨は傷つきやすく、保護しなければならない」といった考え方を、腰痛に関する一般的な誤解として挙げています。
そして、慢性的な腰痛は、筋肉や筋膜などの身体的な要因に加え、精神的なストレスや睡眠不足、仕事や家庭環境などの心理・社会的要因が相互に関係する、多因子性の症状である としています。
◾️腰痛とトリガーポイント
トリガーポイントに関する研究では、腰方形筋、脊柱起立筋群、腹直筋、腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)、大臀筋、中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋、ハムストリングス、内転筋群、腓腹筋、ヒラメ筋 などにトリガーポイントが認められることが報告されています。
ぎっくり腰(急性腰痛)とトリガーポイントの関係を調べた研究は限られていますが、私の臨床経験では、腹直筋、腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)、大腿筋膜張筋、内転筋群 などが改善の鍵になると考えています。
◾️腰痛に伴うさまざまな症状
- 朝の起き上がりで腰が痛い
- ぎっくり腰を繰り返している
- コルセットが手放せない
- 前かがみのときは、膝を曲げて腰を落とす
- 長時間座っていると腰が痛くなる
- 立ち上がるときに腰が痛い(すぐに伸びない)
- 顔を洗う姿勢がつらい
- 靴下やズボンを履く動作で腰が痛い(脚が上がらない)
- 中腰で物を持ち上げると腰が痛い
- 腰からお尻にかけて重だるい
◾️腰痛に関連する筋肉
※トリガーポイントは筋肉のどの部位にも生じる可能性があるため、トリガーポイントの位置を「×」のように示していません。
肩の痛みに関連する筋肉
肩の痛みには五十肩のほかにも、腱板(けんばん)関連痛やトリガーポイントによる痛みなどがあります。
その中でも、夜間に突然、眠れないほどの激しい肩の痛みが生じ、安静にしていても強く痛む場合は、急性の石灰沈着性腱板炎 の可能性があります。
石灰沈着性腱板炎では、腱板(肩の関節を支える4つの筋肉の腱:棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)に沈着した石灰をきっかけとして、急性の炎症が起こり、激しい痛みを生じます。
このような突然の激しい肩の痛みは、トリガーポイントによる肩の痛みとは病態が異なるため、早めに整形外科を受診してください。
◾️五十肩について
一般に「五十肩(四十肩)」と呼ばれているものは、明らかなきっかけがなく発症し、肩の痛みと関節の動かしにくさ(拘縮)を特徴とする「凍結肩(とうけつかた):肩関節周囲炎」です。40歳代半ばから60歳代に多く、女性が約65%を占めるとされています。
また、糖尿病や甲状腺機能亢進症・低下症などの全身性疾患がある場合には、凍結肩を発症する割合が高くなることが知られています。特に糖尿病を伴う場合は、治療を行っても痛みや関節の可動域制限が残りやすく、改善に時間がかかることがあります。
主な症状は、肩の痛みと可動域制限です。
特に安静時や夜間に痛みが強くなることがあり、
・反対側の脇の下を洗う
・ブラジャーをつける
・服の脱ぎ着
・髪を洗う
・洗濯物を干す
・腕を後ろに回す
・高いところにある物をとる
など、さまざまな動作がつらくなります。
また、何気なく前や後ろにある物を取ろうと腕を伸ばした瞬間に、激しい痛みが走ることもあります。
凍結肩がなぜ起こるのかは、現在でも完全には解明されていません。改善までには時間がかかることがあり、回復までに6か月〜2年程度を要するケースもあります。
◾️五十肩に伴うトリガーポイント
五十肩では、肩関節の問題だけではなく、痛みをかばうことや肩を動かしにくい状態が続くことで、肩や腕、肩甲骨周囲の筋肉にトリガーポイントや筋拘縮が生じることがあります。
こうした筋肉の問題が重なると、肩の痛みや動かしにくさがさらに強くなる可能性があります。
五十肩の場合は、トリガーポイントへの施術によって筋肉由来の痛みや緊張が軽減すると、肩を動かしやすくなり、運動療法を進めるうえでも役立つことがあります。
◾️トリガーポイントによる痛み
肩の痛みの中には、肩や肩甲骨周囲の筋肉に生じたトリガーポイントが痛みに関係しているケースもあります。
トリガーポイントを圧迫すると、肩の痛みが再現されたり、関連痛が生じたりすることがあります。
また、痛みに伴う筋緊張によって、肩の動かしにくさや可動域制限を伴う場合もありますが、一般的には「凍結肩」ほど強い可動域制限はみられません。
◾️肩の痛みに関連する筋肉
※トリガーポイントは筋肉のどの部位にも生じる可能性があるため、トリガーポイントの位置を「×」のように示していません。
首肩こり ・ 背中の痛みに関連する筋肉
首肩こりや背中の痛みには、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、精神的なストレスなど、さまざまな要因が関係します。
国際疼痛学会は「軽い作業であっても、同じ筋肉を繰り返し使い続けると特定の筋肉に負担が集中し、筋痛に関係する可能性がある」と説明しています。
一方で、「姿勢が悪いから首肩がこる」という単純な因果関係については明確ではないため、姿勢だけで判断するべきではない としています。
肩こり(Katakori)に関する研究報告では、「後頭部から肩、肩甲骨周囲にかけて生じる、筋肉のこわばりに伴う不快感や鈍い痛み」と説明されています。
また、肩こりには必ずしも「痛み」があるとは限らず、「重い・張る・詰まる・こわばる・だるい・不快感がある」といった感覚も含まれます。
※「肩こり」の医学用語は現在も確立されていないため、英語論文でも「Katakori」が使用されています。
◾️首肩こりのさまざまな症状
- 首が張る・重だるい
- 肩がこる・張る
- 首を動かすと痛い・回しにくい
- 肩甲骨の内側が痛い
- 頭痛を伴うことがある
- 腕が重い
- 朝から首肩がスッキリしない
◾️首肩こり・背中の痛みに関連する筋肉
日本の看護職員(393名)を調べた研究では、頸部・肩部症状があった人は268名で、最も多く症状が認められたのは、僧帽筋 でした。また、2022年に行われた研究でも、症状の強い人は、僧帽筋が有意に硬い ことが報告されています。
トリガーポイントの観点から「首肩こり・背中の痛み」に関連する主な筋肉は次のとおりです。
① 僧帽筋
肩こりで最も代表的な筋肉です。
首の付け根から肩にかけての「重い・張る・こわばる・痛い」という感覚に関係し、トリガーポイントから後頭部、側頭部、顎周辺へ痛みが広がることもあります。日本整形外科学会も、肩こりに関係する中心的な筋肉として僧帽筋を挙げています。
② 肩甲挙筋
首と肩の境目、肩甲骨の周囲の症状に関係します。
「首を回しにくい」「振り向くと首肩がつっぱる」といった症状がある場合に、特に確認したい筋肉です。
③ 頭半棘筋・板状筋
首の後ろの深い張りやこわばり、後頭部に近い首こりに関係します。
④ 大菱形筋・小菱形筋
肩甲骨内側の「重い・だるい・押したい」という感覚に関係しますが、肩甲骨内側の症状は、肩甲挙筋、僧帽筋、棘下筋などからの関連痛として現れることもあります。
⑤ 棘上筋・棘下筋
肩甲骨周囲から肩関節周辺の痛みや重さに関係します。
特に棘下筋のトリガーポイントは、肩の前面や腕へ関連痛を生じることがあります。
※トリガーポイントは筋肉のどの部位にも生じる可能性があるため、トリガーポイントの位置を「×」のように示していません。
頭痛に関連する筋肉
頭痛には、さまざまな種類があります。
中には、くも膜下出血や脳出血など緊急の対応が必要な頭痛や、片頭痛・群発頭痛など医療機関での診断・治療を受けることが必要な頭痛もあります。
頭痛についての詳細は、以下の日本頭痛学会のHPをご覧ください。
・群発頭痛
◾️筋肉の緊張やトリガーポイントが関与する頭痛
その中でも、頭・顔・首・肩などの筋肉の圧痛との関係が知られている頭痛の一つに「緊張型頭痛」があります。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、食いしばり・歯ぎしりなどによって、頭・顔・首・肩の筋肉へ負担がかかることがあります。また、精神的なストレスも緊張型頭痛に関係する要因の一つと考えられています。
◾️緊張型頭痛に伴うさまざまな症状
- こめかみが重い・締め付けられる
- 後頭部が重い・締め付けられる
- おでこが痛い
- 目の奥に鈍い痛みや重さを感じる
- 首や肩のこりと一緒に頭痛が起こる
- 朝起きると頭が重い
- 食いしばりや歯ぎしりがある
◾️緊張型頭痛に関連する筋肉
国際頭痛分類・緊張型頭痛によると、緊張型頭痛は非常に身近な頭痛で、一般人口における生涯有病率(一生のどこかで一度でも経験したことがある人の割合)は30〜78%と報告されています。
そして、緊張型頭痛では「頭蓋周囲筋の圧痛」が 最も重要な異常所見 とされています。
国際頭痛分類では、頭蓋周囲筋の圧痛を評価する筋肉として、前頭筋・側頭筋・咬筋・翼突筋・胸鎖乳突筋・板状筋・僧帽筋 の7つの筋肉を挙げています。
実際の身体では、それぞれの筋肉が単独で働いているわけではないため、これらの筋肉だけでなく、首や肩甲帯など、連動して働く周囲の筋肉まで含めて確認する必要があります。
※トリガーポイントは筋肉のどの部位にも生じる可能性があるため、トリガーポイントの位置を「×」のように示していません。














