そよ風 note
「こむら返り」 と 「骨盤の歪み」
先日、患者さんからのご紹介で、左脚の「こむら返り」にお悩みの70代の女性が来室された。
もともと就寝中に足がつることは時々あったが、2〜3ヶ月前から頻繁に起こるようになったとのことだった。
「年齢のせいで筋肉が硬くなってしまったからかもしれない」と思い、自宅近くの整骨院を訪ねたところ、『骨盤が歪んで脚の長さに差が出ているから、このままでは歩けなくなってしまう』と言われたそうだ。
歩けなくなっては困ると不安になった女性は、お得だと勧められた回数券を購入して「骨盤矯正」を10回ほど受けたが、症状はまったく改善しなかった。
にもかかわらず、『あなたの骨盤の歪みは特にひどいので、もっと効果的な施術が必要だ』と、さらに高額な回数券の購入を勧められたが、女性は納得がいかなかったので断ったとのことだった。
このような「リピート & アップセル」が目的の「骨盤の歪み商法」は、整骨・整体業界では「ビジネスモデル」などと称されていますが、実態はただの「煽り商法」にすぎません。
「情弱ビジネス」とも呼ばれていますが、整骨・整体(個人・チェーンを問わず)業界に広く浸透しているのが実情です。
このような商法は、「初回割引(今だけ・◯人限定など)」⇨「不安を煽る説明(このままでは危険)」⇨「回数券販売(長期・高額)」の流れになっています。
・医学的な見解では、骨盤は強靭な靭帯と関節によって安定しており、骨折などの明瞭な損傷がない限り「歪み」が生じることはありませんが、整骨・整体的な見解では、簡単に「歪み」が生じます。
・「骨盤矯正」という用語は、「歯列矯正」のように医学的に定義されたものではなく、整骨・整体で用いられる非医学的な(ビジネス)用語です。
詐欺被害にご注意ください
今朝、調布警察署の刑事さんお二人が、このお知らせ(スタンド付き)を持ってきてくれた。
お話によると、調布署管内でも、警察官をかたる詐欺被害が急増しており、被害は高齢者に限らず、若い世代にも広がっているとのこと…
そのため、注意喚起として待合室などに設置してほしいとのことだった。
警察官をかたる詐欺電話、急増中!
ニセの警察手帳、逮捕状に注意せよ!!
みなさまも、詐欺被害に遭わないよう十分ご注意ください。
不審な電話や訪問は、すぐに警察や家族に相談しましょう!
玄関前に新しいグリーンが仲間入りしました
昨日から、玄関前で「ツルニチニチソウ(蔓日々草)」が皆さまをお迎えしています。
大東京総合卸売センター内にある Flowershop toi toi toi! さんにアレンジしていただきました。
来室されたときは、施術前後の癒しとして、ゆっくり眺めてください。
Flowershop toi toi toi! は、美人でセンス抜群の奥さまと、気さくで優しいご主人が営むお花屋さんです。
テニスをしないNさんの「テニス肘」
先日から、右肘の痛みを訴える40代の男性・Nさんが来室されている。
右肘の痛みは昨年の11月頃から徐々に強まり、今年に入ってさらに悪化したそうだ。
ある日、右肘の痛みのためにペットボトルの蓋を開けられなくなったNさんは整形外科を受診し「テニス肘」と診断された。
処方されたのは「痛み止め(抗炎症薬)と湿布」。
しかし、毎日痛み止めを服用し、湿布を貼り続けても症状の改善は見られなかった。
そこで、次に訪れた整骨院でも「テニス肘」と言われ、電気(ビリビリ)と超音波を5回ほど受けたが、効果を感じられなかった。
そのうえ、筋力がないからということで筋力訓練の方法も教えてくれたが、痛くてそれどころではなかったそうだ。
不安を感じたNさんは「まだ痛いのですが……」と先生に相談すると「これは時間がかかります。半年から1年はかかるかもしれません」と告げられ、愕然としたという。
他に治療法はないかとインターネットで調べたところ、私の施術を見つけたそうだ。
◾️テニス肘とは
テニス肘は、医学的には「上腕骨外側上果炎」と呼ばれている。
「テニス肘」という名称は 1880年代(140年以上前)から使われており、テニスをする人にも、しない人にも起こる症状だ。
医学的には「使いすぎによって上腕骨の外側上果が炎症を起こす」とされている。
理論的には「使いすぎ」が原因なら、しばらく安静にすれば治るはずだが、現実にはそう簡単に改善しない。
また、炎症があるなら抗炎症薬が効くはずだが、Nさんのように痛み止めを飲んでも改善しないケースがほとんどだ。
このようなことから、テニス肘は「難治性(なかなか治らない痛み)」とされている。
しかし、難治性の原因は「使いすぎ・炎症説」が140年以上も語り継がれ、治療法がそれに基づいている からだ。
◾️Nさんの「テニス肘」の背景
テニス肘の痛みを確認するためのテストがある。
テストの説明をしたところ、Nさんが「それ、痛いんです、整形外科でも整骨院でもやりました…」と話してくれたので中止した。
Nさんの「痛みストーリー」を聴くと、そこにはトリガーポイントのヒントが多く隠されていた。
Nさんのテニス肘も、痛みストーリーの結果(『キートリガーポイント』 ⇨ 『サテライトトリガーポイント』)と判断してトリガーポイントを探索したところ、右肘(腕)意外にも多数のトリガーポイントが存在していた。
テニス肘の症状を現しているのは、サテライトトリガーポイントだ。
Nさんはテニスをせず、右腕だけを酷使するような生活も送っていないが、これまでに以下のような 症状とストレス を抱えていた。
・定期的な頭痛(脳神経外科を受診するも異常なし。頭痛薬を常備)
・慢性的な首肩の凝り(2週間前にも寝違え)
・時々、腰(臀部)や脚が痛い
・職場での人間関係
トリガーポイントと思われる部位を触診すると、Nさんは体が飛び上がるほどの強い痛みを感じたようだ。
また「立ったまま天井を見てください」とお願いすると、頭を十分に後へ倒せず、天井を見ることができなかった。
◾️施術の経過
これまでに週2回の施術を3週間継続したところ、右肘の痛みは軽減(痛みレベル10 → 3 または 2 )した。
さらには、頭痛薬を飲まなくなったと喜んでいただいた。
触診すると、まだ「そこそこ痛い」箇所はあるものの、痛みの悪循環 からは確実に抜けつつある。
◾️「使いすぎ・炎症説」は本当に正しいのか?
テニス肘の原因として、140年以上語られてきた「使いすぎ・炎症説」は本当に正しいのだろうか?
少なくともNさんのケースでは、使いすぎが原因と言えず、炎症があったとも考えにくい。
しかし、医療を提供する側にとっては、この説を前提とした治療が 都合がいい 。
なぜなら「使いすぎが原因だから安静に」「炎症があるから痛み止めと湿布を」と説明したほうが、今の医療システムにとっても好都合だからだ。
これはテニス肘に限らず、多くの 慢性痛治療が同じ構造 になっている。
Focal Vibration Therapy が効果をもたらす要素
Focal Vibration Therapy (FVT) の効果を決定する重要な要素は
①『周波数』
②『振幅』
③『振動パターン』
の3つです。
①『周波数』:1秒間に振動する回数
痛みの軽減と筋肉の緊張緩和には 高い周波数 が必要です。
一般的なマッサージガンとFVT機器の「周波数」には大きな違いがあります。
周波数の単位は「Hz(1秒間に振動する回数)」ですが、マッサージガンは「rpm(1分間に繰り返される回転)」で表記されていることが多いです。
一般的なマッサージガンは 1,500 〜 3,500rpm(25 〜 58HZ)ですが、FVTで使用する機器は 4710 〜 8310rpm(79 〜 139Hz)です。
施術では、目的に応じて 4つの周波数(79Hz・95Hz・124Hz・139Hz)を使い分け、より効果的に痛みを和らげます。
②『振幅』:振動の大きさ
振幅とは、マッサージガンのアタッチメントが 上下に動く距離 のことです。
一般的なマッサージガンの振幅は、小さいもので約4mm、大きいものでは16mmほどあります。しかし、振動療法で痛みを緩和させるためには、振幅は『0』であることが重要です。
なぜなら、振幅が大きくなるほど 振動の大きさ(叩く力)も増すためです。
痛みを抱える患者さんは、トリガーポイントが過敏化し、交感神経も緊張しています。そのような状態に振幅の大きい(強い)振動を加えると、トリガーポイントはさらに過敏化し、交感神経の興奮も強まってしまいます。
これでは、まさに「火に油を注ぐ」ような状態になってしまいます。
実際に、マッサージガンを痛い部分に当てたことで、かえって痛みが強くなった という方も少なくありません。(しまだには3人ほど来室されました)
③『振動パターン』:振動の強弱や間隔の変化
スマートフォンのバイブレーションに「連続振動」や「リズミカルな振動」があるように、振動にはさまざまなパターンがあります。
FVTでは、強弱や間隔の変化を加えた振動パターンを採用しています。
これは受容器の反応を持続させるためです。
筋膜にある多くの受容器は同じ刺激に慣れてしまう(順応する)ので、振動パターンを変えることで、受容器を持続的に刺激することができます。
7種類の振動モードと4段階の強度
https://youtube.com/shorts/QLu7HuJQ14s?feature=share
cymatics:(サイマティクスの現象)
水や砂に振動を加えることで、美しい波紋や模様が目に見える形として現れる現象です。
これは、振動が物質に秩序ある動きを与えることを示しています。