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心の痛みは本当に痛む
痛みとネガティブな感情は、深く絡み合っています。
私たちは、悲しいことや辛いこと(家族や仲間や恋人からの拒絶、別れなど)があった時、『心が痛む(傷ついた・折れた)』などと表現します。
近年、脳内の活動をオンライン(f MRI)で解析することができるようになり、痛みと感情の関係(身体的な痛みと心の痛みのつながり)が明らかになりました。
たとえば、人間関係で人に拒絶された時に傷つきやすい人は、身体的な痛みについても 強く不快と評価する傾向がある そうです。
また、たとえ傷つきやすくない人でも、社会的な苦悩(人間関係の中で苦しみ悩むこと)を経験をすると、身体的な痛みに対する 不快な知覚が増す そうです。
説得力のある事実として、人間関係における拒絶(ゲームのメンバーから外されるといった軽度な排斥でも)と身体的な痛みとは、脳の中の同じ領域 が活性化します。
もっと強力な拒絶を用いた研究では、恋人と別れたばかりの人に元恋人の写真を見せると、脳の中の感情的な痛み領域だけでなく、感覚的な痛み領域も活性化することがわかりました。
Social rejection shares somatosensory representations with physical pain
『社会的拒絶は、身体的な痛みと体性感覚を共有する』
この研究は、2011年にミシガン大学がおこなったもので、NHKのヒューマニエンスという番組「"痛み"それは心の起源」でも紹介されていました。
『心が痛む(傷ついた・折れた)』といった表現は、単なる言葉のあやではなく、現実的な比喩だったのです。
脳にとって『心の痛み』は『身体の痛み』と同じものなのです。
『こころ』と『からだ』その③
『感情』は、自律神経と内分泌系と免疫系を介して、身体的な影響を現します。
その中でも、感情の影響が顕著に表れる神経系の反応は、前回に引き続き『筋肉の収縮』です。
不快な感情を抱くと、首や背中や腰など日常的によく使われる筋肉(特に大きな筋肉)が硬く緊張して痛みを感じさせます。
そして、血管や内臓の筋肉も同様に緊張します。
胃は、感情が身体に現れる代表的な臓器です。
私たちは、胃の具合によっても感情の動きを感じ取っています。
気分良く上手くいっている時は食欲満点ですが、気分悪く上手くいっていない時は食欲が減退します。
また、胃と同様感情の変化を起こしやすい臓器の一つが、長さ8メートルもある腸 (特に結腸)です。
『結腸はこころの鏡』
こころが緊張すると結腸も緊張すると言われています。
その結果起こる症状は、便秘や下痢です。
頭の内外の血管も感情の影響を受けやすく、多くの頭痛の原因になります。
腰の痛みと背骨の変形
供覧しているレントゲンは、慢性的な腰痛でお困りだった女性(69歳)の腰部です。
※ レントゲンは医師の協力により撮影されたものです。
ご夫婦でラーメン屋さんを営んでいるが、『腰が痛くて立っているのが辛い』『立っていられなくなる』『仕事にならない』とのことだった。
整形外科、整骨、鍼灸、整体、カイロ、マッサージなど 22ヶ所 に行ったが期待する効果を得ることができず、私が「23ヶ所目だ」とおっしゃっていた。
このレントゲン ① は、私が施術を開始した(腰がとても痛い)時のレントゲンです。
女性は『整形外科をいくつも行った(いつも同じ説明だった)ので覚えてしまった』と、以下のように私に説明してくれた。
○:『背骨が変形して、棘のようになっている。』
※ ○ 以外も同じように変形しています。これは「骨棘(こつきょく)」と言い、背骨や膝の関節にもよくある変形です。
↑:『椎間板が(2ヶ所)潰れている。』
※ これは「椎間板の狭小化」と言います。
そして。
『これは老化現象なので治らない。痛み止めを飲みながら、うまく付き合っていくしかない。』とのこと。
ところが。
施術を開始して2~3ヶ月ほどで改善が見られ、半年後には、ほぼ痛みなく1日立っていられるようになります。
本題はここからです。
その後、痛みが落ち着いても定期的に施術を受けにいらしていたが
施術開始から1年後(腰痛をほぼ忘れた時)の写真が、こちら ② です。
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① と比べてみましょう。
レントゲン ①(腰がとても痛い時)→ ②(腰痛をほぼ忘れた時)では、複数の医師から腰痛の原因と説明された、背骨の変形と椎間板の狭小化は全く変化(改善)していませんが、痛みは大きく変化(改善)しています。
1年経過しているので変形も進んでいるのかもしれませんが、たった1年では分かりません。
なぜなら、このような変形は、5年、10年、15年、20年・・・と時間をかけて、少しずつ変化していくからです。
この女性も、腰痛がなかった時でも、背骨の変形はすでに始まっていたはずです。
背骨と椎間板(特に腰椎)は、程度の差こそあれ、加齢とともに誰でも変形します。
私もご多分に漏れず、背骨は変形し椎間板は狭小化しています。
おまけに、その箇所はヘルニアですが、慢性腰痛も脚のしびれもありません。
加齢による背骨の変形や椎間板の狭小化は、ぎっくり腰や慢性腰痛の原因ではありません。
慢性的な腰痛で困っていない方は病院を受診する(レントゲンを撮る)ことがないので、自分の背骨が変形していることを知りません。
中年期以降に腰のレントゲンを撮れば「誰でも、それなりの変形がみられる」ということです。
『こころ』と『からだ』その②
身体は24時間止まることなく、私たちが寝ている間も身体を修正してくれています。
そのために可能な限り、全身のあらゆる『筋肉』を使っています。
首~肩のこりや腰痛などで現れる筋肉の緊張は、身体が修正をかけている結果、筋肉が正常に機能しているからこそ起こる現象でもあります。
筋肉の緊張は、身体が自らを保護したり調整している恩恵の証であって、決して「力ずくでその筋肉を揉みなさい」と言っている訳ではないのです。
身体からのメッセージを無視して「力ずくで揉んでしまったら」、身体はその刺激に(防御的)反応して、更に強く緊張してしまいます。
⑤『痛みやしびれが改善するしくみ』
腰痛をはじめとする慢性化した痛みには、痛みを起こしている部位の問題だけではなく、痛みに対する心理的な因子(不安や恐怖)も痛みの悪化や慢性化に関与しています。
『トリガーポイントの鎮静化(身体の機能的な回復)』と『痛みを正しく知る(心理的な支援を得る)』ことで、 痛みに対する不安や恐怖が軽減し、多くの痛みは自然に治っていくのです。
痛みやしびれは以下のしくみで改善していきます。
このしくみを『改善の好循環』としました。
※1:トリガーポイントが鎮静化すると、些細なストレスに反応しなくなる。
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※2:痛み信号の発信回数が減ると、痛みが小さくなり、痛む時間も短くなる。
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※3:『痛みを知る』ことで、痛みに対する不安や恐怖が軽減する。
『痛みの閾値』が上がる。(痛みを感じにくくなる・痛み再発の防止にもなる)
たとえ痛みを感じても、以前のような不安や恐怖がなくなる。
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※4:交感神経の緊張が緩むと、アドレナリンが過剰に分泌されなくなる。
血管が拡張して血行がよくなる・筋肉の緊張が緩和する・眠れるようになる
『痛みの閾値』が上がる。『眠りは王様』
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※5:血液の流れが改善すると、しびれを感じなくなる。
急激な血流量の増加も起きなくなる。
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※6:酸素と栄養素が十分に行き届くと、発痛物質(ブラジキニン)の産生が減少する。
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※1:受容器が反応する回数が減ると、トリガーポイントはさらに鎮静化する。






